RSウイルス免疫予防は、4.5歳から6歳での喘息発症率を低下させる: 後ろ向きコホート(propensityスコア分析)

2017年5月29日

Kecia NC, et al., Respiratory Syncytial Virus Immunoprophylaxis in High-Risk Infants and Development of Childhood Asthma. J Allergy Clin Immunol 2016(in press)

RSウイルス感染が、その後の繰り返す喘鳴に関連するか?

propensityスコアは、近年使用が増えている統計手法です。

■ 観察研究の集団の中から統計的にマッチした群をランダム化比較研究的にピックアップする、、そういった方法です。

■ ランダム化比較研究に準じた統計手法ともされることもありますが、まだエビデンスレベルとしての評価は十分定まっていません。しかし、アレルギー学のトップジャーナルに掲載されるところをみると、市民権を得ているとも言えるのでしょう(見当違いがあったらすいません)。

 

P: 1996-2003年出生のPrevention of RSV: Impact on Morbidity and Asthma (PRIMA)コホート試験(2つの大規模出生コホートを含む)でRSウイルスの免疫予防を受けた小児
E: RSウイルス免疫予防の推奨用量に対し接種された%用量(アドヒアランス)
C:-
O: 4.5-6歳時の気管支喘息

 

 

結果

■ 統計解析は、多変量ロジスティック回帰とpropensityスコア(傾向スコア)が用いられた。

■ ロジスティック回帰では、RSウイルス免疫予防に対する高い%用量は、喘息発症を低下させていなかった。

■ 一方、propensity scoreを使用した分析では推奨用量の70%以上で予防を受けた児は、推奨用量20%未満の免疫予防を受けた児に比較して喘息発症率を低下させていた(オッズ比0.62 [95%CI 0.50-0.78])

 

 

コメント

■ RSウイルス免疫予防効果の高い児は、慢性肺疾患が多い、より出生時体重が少ない、新生児室滞在がより長いなどの交絡因子があり、それを克服するためにpropensityスコアを使用したとされています。

■ ITの普及でビッグデータが使用できるようになったため、近年使用した論文が増えてきている統計手法がpropensityスコアであり、観察研究のデータを用いたランダム化研究的な論文が今後増加すると思われます。

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