慢性のネコ曝露はTh2細胞依存性のIgG4産生に働き、脱感作を促進する

Renand A, et al. Chronic cat allergen exposure induces a TH2 cell-dependent IgG4 response related to low sensitization. J Allergy Clin Immunol 2015; 136:1627-35.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26371841


ネコ飼育でネコアレルギーがない患者さんは、このような機序が働いているのでしょう。
では、飼育を続けるのが吉なのか?
そうもいかないという臨床報告の抄録を明日UPします。


P: Virginia Mason Medical Center Allergy Clinic and Benaroya Research Instituteでリクルートされた38名
E: ネコアレルギー患者 24名(症状歴あり、皮膚テスト陽性、ネコフケ特異的IgE抗体価≧0.35kUA/mL)
C: ネコアレルギーでない対照者 14名(ネコ、チリダニ、ギョウギシバ、オオアワガエリ、ハンノキ、アルテルナリアIgE陰性)
O: 抗原刺激によるCD154発現により特徴づけられたFel d1、Fel d4、Fel d7、Fel d 8特異的特性T細胞反応

結果


■ (1) IgG4を産生する能力を持つB細胞は、アレルギー患者でも存在する。

■ (2) ネコアレルゲン曝露は、TH2細胞依存性にIgG4反応を誘発する。

■ そして、IgG4増加はTH2反応の慢性の活性化により媒介され、次に脱感作を引き起こす。

 

コメント


■ 動物飼育に関する逆説的なこの論文に関しては、まだ議論の余地が十分残されています。

■ 少なくとも、症状のある児が動物飼育をしても良いと手放しで考えて良いとはなりません。

■ 一方で、感作があるけれども症状がない児に関して、一律に動物を手放すことを指導するわけでもないということ。

■ 私は、感作があるからといって即座に飼育を中止する指導はせずに、まずは共存を図っていただく指導をすることが多くなっています。

■ もちろん、飼育中で感作が明らかになっており、例えばアトピー性皮膚炎の治療が難渋して十分ステロイド外用薬が減量できない場合などは、やはり患児が優先で、飼育に関して考えていただくしかないと思っています。

■ この論文に関しては、Correspondenceが出ている(Liccardi G, et al.,Chronic cat allergen exposure and low sensitization: Possible limitations in patient selection? J Allergy Clin Immunol 2016.[in press])。

■ しばらくは議論が続くと思われます。

■ 明日は、小児期にネコ・イヌに感作されると将来ネコ・イヌによる症状が出現する可能性が高いという報告をUPします。