アトピー性皮膚炎治療に対するアレルゲン免疫療法: システマティックレビュー&メタアナリシス

■ 免疫療法は喘息に対する効果は認められます(症例を選ぶようですが)。

■ 一方で、アトピー性皮膚炎に対する効果は明らかではありません。そのため行われたメタアナリシスです。

 

PECO
P: 2015年7月までの12件のランダム化比較試験に参加した733名
E: 標準化されたアレルゲンエキスを用いた特異的アレルゲン免疫療法(SIT)
C: プラセボ
O: アトピー性皮膚炎加療に対するSITの有効性と安全性

結果

■ 投与ルートは、皮下6件、舌下4件、残りは経口もしくは皮内であり、投与アレルゲンはチリダニ10件、他は花粉または他の吸入剤だった。

3件の試験(208人の参加者)では、有意な効果は認められなかった

■ 患者自身の報告による重症度の改善度はRR 0.75(95%CI 0.45~1.26)であり、湿疹の症状の差は、20点尺度で平均0.74(95%CI -1.98~0.50)だった。

■ そのうち2件の試験(85人の参加者)では、効果に有意差を認めた。

■ 重症度の改善度はRR 2.85(95%CI 1.02~7.96)、10点尺度でかゆみ平均差が4.20(95%CI 3.69~4.71)改善した。

■ 副作用は認められなかった。

 

免疫療法は、アトピー性皮膚炎に大きな治療効果はないようだ。

■ 今回のメタアナリシスでは、アレルゲン免疫療法(SIT)がアトピー性皮膚炎の加療に効果があるという結論は得られませんでした。

■ 少なくとも、免疫療法がアトピー性皮膚炎に大きな治療効果があるとはいえないようです。

■ しかし、研究ごとの異質性が強いために十分なメタアナリシスができず、SITがアトピー性皮膚炎に効果があるかどうかの結論はできないともされていましたので、さらなる研究が必要でしょう。

■ 効果に有意差を認めた報告もありますし、今後治療効果ありとする結果に逆転する可能性もあると思います。

 

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