スポンサーリンク

Posthumus J, et al. Initial description of pork-cat syndrome in the United States. J Allergy Clin Immunol 2013; 131:923-5.

今回は症例集積研究です。

■ 抗悪性腫瘍薬の一種であるセツキシマブに対するアナフィラキシーが、α-Galという糖鎖に対する交差抗原を媒介して、牛肉アレルギーに関与し、さらに牛肉アレルギーの原因にマダニ刺傷があることまで明らかとなったことは記憶に新しいです。

■ 今回は、ネコアレルギー(この場合はネコのフケではなくネコ血清アルブミンですが)が、豚肉アレルギーの原因になっているという報告です。

 

 

pork-cat症候群の8例の報告

症例1

■ 52歳男性。主訴は腹痛。

■ さらに、豚肉、ポテト、インゲンを摂取20分後に嘔気、そう痒、蕁麻疹が出現した。

■ 腹部症状が悪化しめまいも発症し、救急外来でアナフィラキシーの治療を受けた。症状は肉類を示唆したが、α-galではないようだった。免疫学的検査ではネコ、イヌ、豚肉に陽性であり、牛肉、ラム肉に対しては陰性だった。さらにネコ・イヌ血清アルブミンに陽性で、ウシ血清アルブミンは陰性だった。患者は豚肉除去で症状は2年間再発しなかった。

 

症例2

■  14歳女児。

■ 食事摂取30-45分後に、再発性の腹痛が出現した。14ヶ月間、1ヶ月に3-5回の腹痛があり、無治療で45-60分で軽快した。

■ 食物や飲料は特定できず、まれにじんましんを伴った。α-Gal特異的IgE抗体価は陰性でネコ、イヌ、ブタアルブミン特異的IgE抗体価は陽性だった。豚肉除去の指示を受け、牛肉は摂取を許可された。その後9ヶ月間、症状の再燃は観察されなかった。

 

pork-cat症候群の特徴4つ。

豚肉に対する症状は若年者には見られない。

■ 過去の報告は8歳以上であり、大部分は成人もしくは10歳代である。ネコ血清アルブミンに対する感作が十分な時間が経過して進行するため、年長児もしくは成人に発症するのかもしれない。

 

豚肉を食べるたびに症状が出現するわけではない。

新鮮な肉もしくは乾燥・燻製豚肉(例えばバーベキュー)が原因だった。十分加熱された肉は、反応を起こす可能性がより少ないかもしれない。

 

肉を食べたすぐに反応が始まる。

■ 通常は、豚肉摂取30-45分後に腹痛で始まることが多いようである。

 

自然経過は確立していない。

ネコ特異的IgE抗体価が減少すれば改善する可能性があるかもしれない。

■ α-Gal特異的IgE抗体を有する患者は牛肉と豚肉に免疫学的陽性を示すのに対し、pork-cat症候群のウシアルブミンに対する交差反応性は可変的である。

■ 8例の患者のうち、一例のみ、牛肉でも症状があり除去を必要とした。

 

 

コメント

■ pork-cat症候群は、1994年に初めて報告された疾患のようですが、私は知りませんでした。皆さんとシェアさせていただくためにUPします。

■ なお、本論文では、「すぐ」症状がでるとはされていますが、数時間経過してから症状が出現する場合もあるようです。

■ 交差抗原は思わぬところで見つかる場合があります。島根大学皮膚科の先生方がマダニ刺傷と牛肉アレルギーの報告をされ、多くの先生方がその観察眼に感嘆したものです。

■ このpork-cat症候群もその観察眼の賜物のひとつと言えるのではないでしょうか。

 

今日のまとめ!

 ✅pork-cat症候群は、ネコアレルギーと豚肉アレルギーがネコ血清アルブミンの交差により生じる。若年者には少なく、腹痛で始まることが多い。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事