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ニコチンアミドが皮膚バリア機能を改善させる?

■ ニコチンアミド(ビタミンB3)は、本邦ではナイアシンと記載されていることも多いようです。

■ なお、TEWL(経皮的水分蒸散量)は、低いとバリア機能が良好と判断され、ニコチンアミドがTEWLを低下させる可能性があるという報告です。

 

PECO
P: オーストラリアのシドニーで参加した、過去5年間に2箇所以上の黒色腫皮膚癌のない成人292人
E: ニコチンアミド500mg 1日2回 145人
C: プラセボ 1日2回 147人
O: 12ヵ月後の経皮的水分蒸散量(TEWL)を低下させるか (プライマリーアウトカムは12ヵ月間の皮膚癌の新規発症)

 

Chen AC, et al., Oral nicotinamide reduces transepidermal water loss: a randomized controlled trial. Br J Dermatol 2016.[Epub ahead of print]

結果

■ 本研究は、ONTRACスタディ(Oral Nicotinamide To Reduce Actinic Cancer)として、皮膚癌の新規発症がプライマリアウトカムであり、TEWLは、セカンダリアウトカムとされていた。

■ コンプライアンスの中央値はそれぞれプラセボ96%、ニコチンアミド群94%だった。

■ 一人の測定者により、3ヶ月ごと12ヶ月まで前額部正中、左前腕内側、左下腿内側で経皮的水分蒸散量(TEWL)が測定され、TEWL測定日は、化粧、日焼け止め、保湿剤使用を避け、各測定の前に少なくとも5分間休息するように指示された。

■ TEWLは冬に増加し、ニコチンアミドによって低下した。

■ プラセボ群では、前額部TEWLが、夏(12-2月)と比較して、冬(6-8月)に、相対的に15%増加した(P < 00001)が、下腿では有意ではなかった。

■ ニコチンアミド群はプラセボと比較し、前額部TEWLが3ヵ月で5%[95%信頼区間(CI)-1%~10%; P = 0.13]、6ヵ月で5%(95%CI-1%~10%; P = 0.13)、9ヵ月で6%(95%CI 1-12%; P = 0.033)、12ヵ月で6%(95%CI 0-12%; P = 0.039)低下した。

■ 下腿+前腕TEWLは、3ヵ月で2%(95%CI-5%~9%; P = 0.53)、6ヵ月で4%(95%CI-4%~11%; P = 0.30)、9ヵ月で1%(95%CI-6%~9%; P = 0.72)、12ヵ月で8%(95%CI 0-14%; P = 0.04)の減少だった。

 

コメント

■ ニコチンアミド(ビタミンB3/ナイアシン)は、エネルギー代謝とDNA修復の効果があり、セラミドのような角質層脂質の生合成を増加させるそうで、先行研究では健常参加者20人において、5%ニコチンアミドクリームがTEWLを減少させたそうです。

■ 今回は、別の研究目的があったようですが、そのセカンダリアウトカムとしてTEWLが評価されています。

■ 結果として、ビタミンB3はTEWLを減少させる(=バリア機能を改善させる)効果があったと結論できます。

■ ビタミンBは水溶性であり、副作用も少ないため、内服してみてもいいかもしれません。ただ、改善度は少なく、現実的には保湿剤外用の補助的な治療にとどまるのではないでしょうか。

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