
■ 肥満がカラダに害があることは、皆さんも良く承知されているでしょう。
■ でも、親御さんの肥満が、自分自身でなく、こどもの発達にも影響するとなると、どうでしょう?
ASQ; 発達上の5分野(微細運動、運動機能、コミュニケーション、個人社会的機能と問題の解決能力)の遅れに対するスクリーニング検査
E: 両親の肥満
C: -
O: 児の発達に影響があるか
結局、何を知りたい?
✅親の肥満が、こどもの発達に影響するかということを知ろうとしている。
■ Ages and Stages Questionnaire (ASQ)は、発達上の5分野(微細運動、運動機能、コミュニケーション、個人社会的機能と問題の解決能力)の遅れに対するスクリーニング検査であり、生後4、8、12、18、24、30、36ヵ月時にASQが実施された。
■ 肥満している母のこども(BMI≧30;26%)は、正常もしくは体重の少ない母のこども(BMI<25)と比較して、微細運動が問題があるリスクが高かった(aOR 1.67;信頼区間1.12-2.47)。
■ この関連は、父のBMIの調整後も残存した(1.67; 1.11-2.52)。
■ 父の肥満(29%)は、母の肥満で調整後減少するものの(aOR 1.71; 1.08-2.70)、個人社会的分野に問題があるリスクを増加させた(1.75; 1.13-2.71)。
■ 両親が両方ともBMI≧35であるこどもは、個人社会的機能と問題の解決能力に問題があるリスクが高くなった(2.93; 1.09-7.85)。
結局、何がわかった?
✅母親の肥満は、肥満のない母親に比べ、微細な運動の遅れのリスクを1.67倍にした。
✅父親の肥満も、同様のリスクが1.67倍あるうえ、社会的な発達の遅れのリスクを1.75倍にした。
✅両親ともに肥満があると、社会的機能や問題の解決能力の発達が遅れるリスクが2.93倍になった。
■ 母のおよび父の肥満が、乳児期早期における特定分野の発達の遅れと関連しているとまとめられます。
■ 機序として、脂肪細胞が脂肪酸を蓄積し増大されることで、免疫細胞をupregulatingし、母のおよび胎児の炎症性サイトカイン増加に結びつくからとされていました。
■ しかし、父の肥満も影響しているので、それだけではないようです。
今日のまとめ!
✅両親の肥満は、こどもの発達の遅れに影響するかもしれない。