新生児の光線療法後、リバウンドする子どものリスク因子は?

Chang PW, et al. A Clinical Prediction Rule for Rebound Hyperbilirubinemia Following Inpatient Phototherapy. Pediatrics 2017; 139.

新生児の黄疸は少なからずあり、光線療法はしばしば行われます。

■ 新生児の黄疸に対し、光線療法はしばしば行われるわけですが、リバウンドして再度光線療法になる場合もあります。

■ そのリスクを事前に予測できないかどうかを検討した報告をご紹介いたします。

 

P: 生後14日前に入院で光線治療を受けた7048人
E: -
C: -
O: 光線療法終了後に血清総ビリルビンがリバウンドし、再度光線療法になるリスクはなにか

 

 結局、何を知りたい?

 ✅新生児の黄疸に関し、光線療法後のリバウンドのリスクを予測できるかどうかを知ろうとしている。

 

 

結果

■ 光線療法72時間後までに総血清ビリルビン(TSB)が光線療法の閾値に戻った場合を「リバウンド」と定義した。

■ 光線療法で入院加療をうける7048人のうち、4.6%がリバウンドした。

■ ロジスティック回帰により、3つの変数による予測スコアを作成した。

■ 妊娠期間<38週である(補正オッズ比[aOR]4.7; 95%信頼区間[CI]3.0-7.3)、光線療法終了時の日齢が低いほど(1日日齢が高くなるごとにaOR 0.51; 95%CI 0.38-0.68)、光線療法が終了時の閾値とのTSBの差が小さいほど(TSBが1mg/dL差が小さくなるごとにaOR1.5; 95%CI 1.4-1.7)、リバウンドのリスクが高くなった

■ ROC解析によるAUCは、derivationデータセットで0.89(95%CI、0.86.0.91)、validationデータセットで0.88(95%CI、0.86.0.90)だった。

■ スコアが<20であった約70%の乳児は、ビリルビンがリバウンドしたのは<4%の確率だった。

■ 予測式として、Score = 15 (if gestational age <38 weeks) − 7 × (age in days at phototherapy initiation) − 4 × (AAP phototherapy threshold − TSB at phototherapy termination) + 50.という式が示された。

論文から引用。

予測式から得られたスコアからのプロバビリティカーブ。スコアが20未満だとリバウンドする可能性が4%未満になると予測できる。

 

 結局、何がわかった?

 ✅光線療法後のリバウンドは、在胎週数が<38週であると4.7倍、終了時の日齢が低いほど(1日高くなるごとにリスクが0.51倍)、光線療法終了時の総ビリルビンが高いほど(閾値との差が1mg/dl小さくなるごとにリスクが1.5倍)になる。

 

 

出生時在胎週数・光線療法開始の日齢・光線療法終了時の治療閾値の差が、リバウンドのリスク因子。

■ 新生児の光線療法後のリバウンドのリスクは、出生時の在胎週数、光線療法開始の日齢、光線療法終終了時の治療閾値と関連するとまとめられます。

■ 光線療法後のリバウンドがあると入院期間が伸びてしまいますし、事前に確率が高ければ光線療法の期間を少し伸ばしたりといった方法も考えられるかもしれませんね。

 

 

 今日のまとめ!

 ✅光線療法後のビリルビンのリバウンドは、在胎週数・日齢・治療終了時のビリルビン値でリスクを予想できる。

 

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