経皮免疫療法(EPIT)は、他の方法より長期に効果が続く?

Dioszeghy V, et al. Differences in phenotype, homing properties and suppressive activities of regulatory T cells induced by epicutaneous, oral or sublingual immunotherapy in mice sensitized to peanut. Cell Mol Immunol 2016. [Epub ahead of print]

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■ 上のテープは、EPIT(経皮免疫療法)のものではありません、念のため。

■ EPITは、食物アレルギーの治療として注目されつつあります。

 しかし、まだその機序に関して十分な解明がされているとは言えないうえ、従来行われている経口免疫療法(OIT)や舌下免疫療法(SLIT)に比較して効果が異なる可能性があります。OITはどうやらSLITに比較して効果は高いようですが、EPITはいまのところ横並び比較することは難しいようですが、、、

 今回は、あくまでマウスモデルによる研究結果ですが、極めて重要と思われるEPITの知見に関してご紹介いたします。ただし、今回はほぼAbstractのみの要約です。

PECO
P:ピーナッツを感作されたBALB/cマウス
E:経皮免疫療法 (epicutaneous immunotherapy;.EPIT)
C1:経口免疫療法 (oral immunotherapy;OIT)
C2:舌下免疫療法 (sublingual immunotherapy; SLIT)
O:調節性T細胞(Treg)フェノタイプと機能に差があるか
  • Eの経皮が舌下になってましたので修正しました。

結局、何を知りたい?

 ✅ピーナッツアレルギーのモデルマウスにおいて、EPIT(経皮)、OIT(経口)、SLIT(舌下)における効果の差があるかどうかを確認しようとしている。

 

 

結果

 EPIT、OIT、SLIT全てが、ピーナッツ感作マウスの過敏性を低下させるのに効果的だったにも関わらず、Tregの異なるサブセットを誘導したことを示唆した。

 Foxp3+ Tregは、3種類の治療ルートすべてによって誘発されたが、EPITが最も強く誘導した。

 EPITもOITも、LAP+ Tregを増加させたが、SLITはIL-10+細胞を誘導した。

 EPITから誘導されたTregが抑制活性はIL-10に依存せずCTLA-4を必要としたが、OITは、両方の機序を必要とし、SLITはIL-10に強く依存していた。

 さらに、3種類の投与ルートは、誘発されたTregのホーミング特性に異なる影響を及ぼした。

 OITやSLITに惹起された細胞と比較して、EPITに惹起されたTregに惹起されたケモカイン受容体の方がより多数のレパートリーを誘導していた

 さらに、治療中断後、OITやSLITに惹起されたTregはその抑制活性を失ったのに対し、EPITに惹起されたTregの抑制活性は治療終了後8週間有効だった。

結局、何がわかった?

 ✅ピーナッツアレルギーのマウスモデルの免疫誘導の3種類の投与ルート(経皮・経口・舌下)において、それぞれ効果を及ぼす細胞には違いがあり、経皮ルートが最も多くのケモカイン受容体を刺激し、中断後の維持が長いことがわかった。

 

 

コメント

■ EPIT、OIT、SLITは、Tregの異なるサブセットを誘導して脱感作を成立させ、アレルゲン曝露と耐性に対する誘導に対しても、それ以降の防御における重要な差が起こる可能性があるとまとめられます。

■ EPITの中断後の維持は、OITより劣るかもしれないと思っていましたが、この結果は意外であるとともに、EPITの重要性が今後注目される点になるかもしれないと思いました。

今日のまとめ!

 ✅経皮・経口・経舌下は、それぞれ異なる調節性T細胞(Treg)を刺激し、治療中断後の効果の持続は、経皮ルートが最も長引くかもしれない。