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Teach SJ, et al. Preseasonal treatment with either omalizumab or an inhaled corticosteroid boost to prevent fall asthma exacerbations. Journal of Allergy and Clinical Immunology 2015; 136:1476-85.

オマリズマブ(ゾレア)は、抗IgE抗体なのに、なぜウイルス感染による喘息発作も減らすのか?

■ オマリズマブ(ゾレア)は、重症喘息の治療薬として、また生物学的製剤の先駆者として重要なポジションにいます。

■ 一方、私は、抗IgE抗体にもかかわらず、ウイルス感染時の喘息増悪を減らすことに疑問を持っていました。その疑問を解消させた報告です。

■ この論文は全文フリーで閲覧可能です。

 

 秋季前に、喘息患児513人に関し、オマリズマブ+プラセボ群、オマリズマブ+増量吸入ステロイド群にランダム化した。

背景

■ 治療の制限があるなかでも、短期間の標的治療が秋季の喘息増悪を予防する可能性がある。

 

目的

■ 我々は、学校へ復帰する前4〜6週間の喘息増悪率に関し、(1)オマリズマブ、プラセボ、(2)オマリズマブと増量吸入ステロイド(ICS)(=フルチカゾンプロピオネート換算1000μg以上)を比較した。

 

方法

■ 最近の増悪が1回以上ある6〜17歳の都市部にする喘息小児に対し、3群による、無作為化二重盲検プラセボ対照、多施設臨床試験が実施された(clincaltrials.gov#NCT01430403)。

■ ガイドラインベースの治療は、run-inフェーズ4〜9ヶ月間、介入フェーズ4ヶ月間にわたって継続された。

■ データサブセットに対しPBMCのライノウイルスに対するIFN-α反応におけるオマリズマブの効果も調査した。

 

 

結果

■ 2012年と2013年の秋季前に、727人が登録され、513人が無作為化され、478人が分析された。

■ オマリズマブ群 vs プラセボ群において、オマリズマブ群は喘息増悪率が有意に低かった(11.3%vs 21.0%、オッズ比[OR] 0.48; %CI 0.25-.92)。

■ しかし、オマリズマブ群とICS増量群における喘息増悪率に有意差はなかった(8.4% vs 11.1%; OR 0.73; 95%CI 0.33-1.64)。

■ 事前に決められたサブグループ解析において、run-inフェーズ中に増悪した参加者では、オマリズマブ群は、プラセボ群(6.4%vs 36.3%; OR 0.12; 95%CI 0.02-0.64)およびICS増量群(2.0%vs 27.8%; OR 0.05; 95%CI 0.002-0.98)より有意に喘息増悪率が低かった

オマリズマブは、ライノウイルスに対するIFN-α応答を改善し、オマリズマブ群では、IFN-αの増加は、喘息増悪の減少と関連していた(OR 0.14; 95%CI 0.01-0.88)

■ 有害事象はまれであり、群間に差はなかった。

 

結論

■ 都市部の若年者において、ガイドラインベースの喘息治療中の患児に対し、秋季の学校に戻る前にオマリズマブ治療を追加すると、特に最近増悪した患児における喘息増悪を減少させる。

 

結局、何がわかった?

 ✅オマリズマブは、ライノウイルスに対するIFN-α応答を改善し、IFN-αの増加と喘息増悪の減少は有意な関連があった(OR 0.14; 95%CI 0.01-0.88)。

 

 

オマリズマブが、何故、秋の発作を減らすのかの一端がわかりました。

■ 実は、オマリズマブが上梓されたばかりのころ、私は、ここまでオマリズマブが臨床応用が広がるとは思っていませんでした。喘息がIgEのみに依存しないことから、そういった予測をしていたのです。

■ しかし、その予想はいい意味で裏切られ、オマリズマブは食物アレルギーや蕁麻疹にも臨床応用が広がってきており、さらに、ウイルス感染の抑制にも効果があることがわかってきました。

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■ これも、臨床応用がされて、広く使われるようになったからとも言えましょう。

 

 

今日のまとめ!

 ✅オマリズマブ(ゾレア)は、IFN-αの反応性を改善することで、ウイルス感染を抑制し、喘息発作を減少させる。

 

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