低アレルゲンミルクとプロバイオティクスの併用は、ミルクアレルギーを耐性化させるかもしれない

Canani RB, et al. Formula selection for management of children with cow’s milk allergy influences the rate of acquisition of tolerance: a prospective multicenter study. The Journal of pediatrics 2013; 163:771-7. e1.

牛乳アレルギーの乳児にどういう栄養法で介入するか?

■ 牛乳アレルギーの発症は生後半年前後であることが多く(Katz Y, et al. J Allergy Clin Immunol 2010; 126:77-82.e1.)、栄養法をどうするかの選択を迫られます。

■ 個人的には、栄養的な観点からも、低アレルゲンミルク(加水分解乳がメイン)を推奨しています。

■ 一方、牛乳アレルギーは思った以上に耐性獲得することが少ないことも判明してきており、キャリーオーバーした場合の治療は決して簡単ではありません。

■ 今回は、そんな場合に参考になる研究です。

 

 

牛乳アレルギーが疑われた月齢5.92ヶ月の260人に対し、①高度加水分解乳(低アレルゲンミルク)、②高度加水分解乳+プロバイオティクス群、③加水分解米乳、④ 大豆乳、⑤ アミノ酸乳 に層別化し、12ヶ月後の耐性化を検討した。

目的

牛乳アレルギー(cow’s milk allergy; CMA)に罹患している小児の経口免疫寛容の獲得率に及ぼす食物管理における戦略の影響を前向きに評価する。

 

研究デザイン

■ CMAと診断された、CMA以外に関しては健康な小児(生後1〜12ヶ月)を前向きに評価した。

■ 研究集団は、栄養管理に使用された人工栄養に基づき、5群に層別化された。

(1) 高度カゼイン加水分解乳(extensively hydrolyzed casein formula ; EHCF)55人;
(2) EHCF +Lactobacillus rhamnosus GG (LGG) 71人;
(3) 加水分解米乳(hydrolyzed rice formula ; RHF)46人;
(4) 大豆乳 55人;
(5) アミノ酸乳 33人;

管理人注) 最初抄録を読んだときには介入研究かと思ったら、リクルートされたときは(除去をしているため)に牛乳アレルギーの症状がなく安定した状態で、すでに医師によって選択された処方で15〜30日間治療されていた状態だったそうです。すなわち、前向き研究ではあるもののランダム化比較試験ではありません

■ 12ヶ月後に耐性獲得を評価するために食物負荷試験を行った。

 

結果

260人が評価された(男児167人[64.2%]; 月齢 5.92ヶ月 [95%信頼区間 5.48-6.37]; 体重6.66kg[95%CI 6.41-6.91] ; IgE依存性CMA 111人 [42.7%])。

12ヶ月後に経口免疫寛容を獲得した児の割合は、EHCF(43.6%)もしくはEHCF + LGG(78.9%)で栄養管理された群は、RHF (32.6%)、大豆乳(23.6%)、アミノ酸乳(18.2%)より高かった

論文から引用。加水分解乳もしくは加水分解乳+プロバイオティクス群の耐性獲得率が高い。

■ 二項回帰解析係数(Binary regression analysis coefficient; B)は、本研究終了後に耐性獲得した率が2つの因子によって影響されることを明らかにした。

(1) IgE依存性機序(B -2.05、OR 0.12、95%CI 0.06-0.26; P < .001)。
(2) EHCF(B 1.48、OR 4.41、95%CI 1.44-13.48; P = .009)もしくはEHCF + LGG(B 3.35、OR 28.62、95%CI 8.72-93.93; P < .001)で栄養管理

 

結論

■ EHCFは、他の栄養管理と比較して、CMAの小児における耐性獲得を促進する。
この効果はLGGによって増強される。

 

結局、何がわかった?

 ✅牛乳アレルギーが疑われた生後半年の乳児に対し、①高度加水分解乳(低アレルゲンミルク)、②高度加水分解乳+プロバイオティクス群、③加水分解米乳、④ 大豆乳、⑤ アミノ酸乳 に層別化し、12ヶ月後の耐性化を検討すると、それぞれ43.6%、78.9%、32.6%、23.6%、アミノ酸乳18.2%だった。

 

 

ミルクアレルギーを発症したときに低アレルゲンミルク(さらにプロバイオティクスを併用)を推奨した方がよさそう。

■ プロバイオティクスは、どの菌種を選択するかの問題がつきまといますが、ピーナッツ免疫療法にも併用した方がいいかもという報告もありますので、いいのかもしれません。

■ 今回ご紹介した報告はランダム化比較試験とはいえませんし、そのまま診療に使うかは慎重になるべき部分もありますが、栄養的な面も考えれば有用な報告と思います。

 

 

今日のまとめ!

 ✅生後半年前後に発症したミルクアレルギー児に対し、低アレルゲンミルクを推奨し、プロバイオティクスを併用するのは耐性に良い影響があるかもしれない。

 

スポンサーリンク