妊娠中のビタミンDは、児のアレルギー発症に関連するか?

Pacheco‐González RM, et al. Prenatal vitamin D status and respiratory and allergic outcomes in childhood: A meta‐analysis of observational studies. Pediatric Allergy and Immunology 2018.[Epub ahead of print]

ビタミンDとアレルギー。

■ ビタミンDは、アレルギー発症を抑えるかもしれないという報告があります。

■ 最近、妊娠中のビタミンDと児のアレルギー疾患発症リスクの関連に関するメタアナリシスが新しく発表されたのでご紹介いたします。

 

 

 2017年5月までの妊娠中の母体血/臍帯血におけるビタミンD濃度と、児の呼吸器/アレルギー状態のリスクとの関連を調査した報告34本を調査した。

背景

■ 出生前のビタミンDの状態は、児の呼吸およびアレルギーの転帰に影響を与える可能性がある。しかし、エビデンスは確定的ではない。

妊娠中の母体血または出生時の臍帯血における25-ヒドロキシビタミンD [25(OH)D]レベルと、児の呼吸器およびアレルギー状態のリスクとの関連について、システマティックレビューおよびメタアナリシスを実施した。

 

方法

■ 2017年5月までのビタミンDと健康状態に関する定義されたキーワード(呼吸器感染症(respiratory tract infections ; RTIs)・喘鳴・喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・アレルギー感作・肺機能を含む) を用いて、系統的検索を実施し、ランダム効果メタアナリシスを行った。

 

結果

■ 547件の検索された記事から、34件が本検討に含まれた。

25(OH)Dへの出生前曝露の増加は、呼吸器感染症リスクと逆相関し、25(OH)D値の最低値カテゴリーと最高値カテゴリーを比較すると、オッズ比は0.64(95%CI 0.47~0.87)だった。

■ 学童期における肺機能に関しては、境界線上の関連性が見出された(FEV1の zスコア係数 0.07,95%CI -0.01~0.15)。

喘鳴、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー感作との関連は認められなかった

 

結論

■ 妊娠中のビタミンD状態に対して公衆衛生上の方法を導入すると、児の呼吸器感染症に対する負担を軽減するかもしれない。

■ 一方、現在のエビデンスは、喘息やアレルギーに対する影響を支持しない。

 

結局、何がわかった?

 ✅母もしくは臍帯血のビタミンD濃度は、児の呼吸器感染症リスクと逆相関し、ビタミンD値の最低値カテゴリーと最高値カテゴリーを比較すると、オッズ比は0.64(95%CI 0.47~0.87)だった。

 ✅喘鳴、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー感作との関連は認められなかった。

 

 

母のビタミンDと児のアレルギーの関連を明らかにするのはなかなか難しいようだ。

■ ビタミンDに関しては、すでにランダム化比較試験やメタアナリシスが多く発表されています。

■ どちらかというと、呼吸器に関してはポジティブな報告が多いように思います。

■ しかし、妊娠中の介入研究では、児の喘息予防にまでは至っていないという報告があります。

■ 妊娠中にビタミンDを内服することにデメリットはあまり考えにくいですので、内服自体を否定するつもりはありませんが、個人的には、まだこの分野では確定的なことは言えないのではないかと考えています。

 

 

今日のまとめ!

 ✅母もしくは臍帯血のビタミンD濃度は、児の呼吸器感染症リスクを減らすとまとめられるが、メタアナリシスとはいえ、まだ確定的ではないと思われる。

 

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