ロタウイルスワクチンの有効性は?

Hungerford D, et al. Population effectiveness of the pentavalent and monovalent rotavirus vaccines: a systematic review and meta-analysis of observational studies. BMC Infect Dis 2017; 17:569.

ロタウイルスワクチンの有効性。

■ ロタウイルスは、必ず全員がかかる胃腸炎症状を来す疾患であり、世界的には亡くなる方が少なくない、決して侮れないウイルスです。

■ 胃腸炎ばかりでなく、脳症/脳炎を発症することもあり、これは先進国でも予後が楽観できません。

■ そして、ロタウイルスワクチンは、我が国では未だ任意接種ではあるものの、普及期に入っており成果をあげています。その有効性を検討したメタアナリシスをみつけたのでご紹介いたします。

 

 

ロタウイルス胃腸炎または胃腸炎に対するロタウイルスワクチンの有効性を検討した30の観察研究から、ワクチンの有効性を検討した。

背景

■ ロタウイルスは、定期予防接種の導入前の、乳児/小児における急性胃腸炎(acute gastroenteritis ;AGE)の主な原因だった。

■ 2006年以降、利用可能なワクチンは2種類ある。

■ 世界保健機関(WHO)は、世界中のすべての小児にロタウイルスワクチン接種を推奨するために臨床試験を実施した。

■ 予防接種ポリシーを伝えるために、、急性胃腸炎に対する有効性を評価するため、観察研究のシステマティックレビューおよびメタアナリシスを行った。

 

方法

■ 2006年1月から2014年4月までの間に出版されたPubMed、Medline、Web of Science、Cinhal、Academic Search Premier、不確定の文献資料を体系的に検索した。

ロタウイルス胃腸炎またはAGEによる医療機関受診に対するロタウイルスワクチン接種の有効性を検討した観察研究であれば、研究対象となった。

■ 研究の質を評価するために、ニューカッスル・オタワ・スケールを非ランダム化研究に用いて、バイアスリスクによって研究を分類した。

■ 公表バイアスは、ファンネルプロットを用いて評価した。

■ 2つ以上の研究がワクチンの有効性(vaccine effectiveness;VE)の結果を報告していた場合、ランダム効果メタアナリシスを行った。

■ 我々は世界銀行の所得レベル別に層別分析を行い、感度分析に研究の質を用いた。

 

結果

30研究を特定し、高所得国19研究、中所得国11研究を得た

■ 検査室で確認されたロタウイルス胃腸炎による入院/救急部受診に対するワクチン有効性(VE)は、82% (95% CI 80–88%, p<0.001)と推定された。

論文から引用。ロタウイルスワクチンの有効性。

■ 検査室で確認されたロタウイルス胃腸炎の入院に対するワクチン有効性は、高所得国(89%VE; 95%CI 84-92%)が中所得国(74%VE; 95%CI 67-80%)より高かった

論文から引用。年齢毎のワクチン有効性を、a)中所得国、b)高所得国。

ワクチンの有効性は、部分スケジュール(62%VE; 95%CI 55-69%)と比較して、完全ワクチンスケジュール(81%VE; 95%CI 75-86%)を受けた患者の方が高かった

■ 高所得国からの2研究がAGEによる地域医療機関診療に対するワクチン有効性(VE)が測定され、有効性の推定値は40%(95%CI 13-58%; 2つの研究)だった。

 

結論

■ 我々は、ロタウイルスワクチンの継続的な使用をさらに支持する強力なエビデンスを確認した。

■ ワクチン有効性は、高所得国と中所得国の両方の臨床試験で報告されたものと同様であった。

■ 現在、低所得国のデータは限られており、より軽症に対する有効性は低かった。

■ 今後の研究では、ワクチン前の導入研究で明らかになっているように、特に高所得国では、医療資源に最大の負担をかける可能性があるため、AGEとそれほど重症でないロタウイルス胃腸炎に対する有効性についても調査を続けるべきである。

 

結局、何がわかった?

 ✅ロタウイルス胃腸炎による入院/救急部受診のリスク減少に対する、ロタウイルスワクチンの有効性は、82% (95% CI 80–88%, p<0.001)と推定された。

 ✅ロタウイルスワクチンの有効性は、高所得国(89%VE; 95%CI 84-92%)の方が中所得国(74%VE; 95%CI 67-80%)より高かった。

 ✅部分的接種より、完全接種の方が有効性が高かった。

 

 

ロタウイルスワクチンは非常に有用。ただし、入院や救急受診をゼロにするまでではない。

■ ロタウイルスワクチンは高価ということもあり、「絶対罹らない」と思いたいところですが、そこまでは至りません。しかし、有効性は明らかと言えましょう

■ また、ロタウイルスワクチンは、胃腸炎関連けいれんのリスクも減らすことが報告されています。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ロタウイルスワクチンの有効性は82%と高い。

 ✅部分接種より完全接種の方が有効性が高いが、部分接種でも62%程度の有効性が期待できる。

 

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