乳アレルギー経口免疫療法の7年後はどうなっているか?

Paassilta M, et al. Children who were treated with oral immunotherapy for cows’ milk allergy showed long-term desensitisation seven years later. Acta paediatrica 2016; 105(2): 215-9.

食物アレルギーの経口免疫療法の長期予後は?

■ 食物アレルギーに対する免疫療法自体、まだ歴史は浅いため、その予後はまだ十分判明しているとはいえません。

■ 今回は、乳経口免疫療法後の7年間の長期予後の報告をご紹介いたします。

 

乳免疫療法を3年間継続した24人の、7年間の予後を検討した。

目的

■ この研究は、ランダム化二重盲検プラセボ対照の経口免疫療法(oral immunotherapy; OIT)試験に参加した牛乳アレルギー(cows’ milk allergy ; CMA)を実施した小児28人に対する検討である。

■ オリジナルの検討では、26人(92.9%)が、6ヵ月間の漸増フェーズを完了し、25人(89.3%)が12ヵ月間毎日牛乳を摂取し、24人(85.7%)が36ヵ月間継続した。

■ この研究では、牛乳の摂取や症状に特に注意を払い、7年後の予後を評価した。

 

方法

■ アウトカムに関するデータは、開始3年後、4年後、5年後に実施された郵便による記入されたアンケートと、7年後の電話によるアンケートによって収集された。

■ 私たちは、乳製品の1日摂取量、有害事象、必要とされた治療、毎日の牛乳摂取の中断の可能性について質問した。

 

結果

7年後に24人のデータが入手でき、14人(58.3%)は7年間毎日乳(≧200 mL)または乳製品(タンパク質量≥6400mg)を摂取し続けていた

■ しかし、これらのうち3人(21.4%)が牛乳摂取に関連する症状を依然として報告していた。

■ 残りの10人のうち2人は、毎日乳製品を使用したが、症状のために摂取量が少なく、8人(33.3%)が牛乳摂取を中止していた。

 

結論

■ 経口免疫療法は、持続性の乳アレルギーのある小児を脱感作するための、効果的かつ安全な方法であった。

 

結局、何がわかった?

 ✅乳に対する経口免疫療法で36ヵ月間継続できた24人(85.7%)のうち、7年後も14人(58.3%)は毎日乳(≧200 mL)または乳製品(タンパク質量≥6400mg)を摂取し続けることができた。

 ✅しかし14人中3人は症状が残存しており、残り10人中2人は摂取量は少量であり、8人は摂取を中断していた。

 

 

食物経口免疫療法の長期予後に関する貴重な報告。

■ 食物経口免疫療法は、中断すると多くが再燃することが明らかになっています。

■ すくなくとも、食べ続けていれば継続して摂取可能な「脱感作」と、長期中断しても摂取可能な「耐性」、一定期間中断して摂取が維持できる「Sustained unresponsiveness(持続的な不応答性)」を分けて考える必要があります。

■ ただ、経口免疫療法で脱感作に至っても、継続して摂取できない場合もあるでしょう。負荷試験で摂取可能であることがわかっても、継続して摂取しつづけることが難しいことも報告されています。

■ そういった複雑な要因を鑑みながら、長期予後のデータは確認する必要性があるでしょう。

 

 

 

今日のまとめ!

 ✅乳経口免疫療法の7年間の長期予後は6割程度は継続できていたが、一部は中断していた。

 

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