乳児期の魚油の摂取は、その後の腹囲やインスリン抵抗性を改善させるかもしれない

See VH, et al. Cardiometabolic Risk Factors at 5 Years After Omega-3 Fatty Acid Supplementation in Infancy. Pediatrics 2018: e20162623.. [Epub ahead of print]

魚油に含まれるω3系長鎖多価不飽和脂肪酸に関する報告は多数ある。

ω3系多価不飽和脂肪酸は魚油に多く含まれ、例えば神経発達に良い影響を及ぼすかもしれないなどの報告があります。

 

420人が、出生から生後6ヶ月までn-3LCPUFA群またはオリーブ油群(対照群)を内服し、5歳時点での心臓代謝のリスク因子に差があるかどうかを調査した。

背景

■ 幼児期にω3系長鎖多価不飽和脂肪酸(n-3 LCPUFA)を補充すると、動物で観察されるように成人期の心血管リスクが低下する可能性がある。

■ そこで、5歳時点での成長、身体組成、心臓代謝リスク因子に対する乳児期のn-3LCPUFA補充の効果を評価した。

 

方法

参加者420人は、出生から生後6ヶ月まで、n-3LCPUFA群またはオリーブ油群(対照群)内服にランダム化された

■ 測定は、出生時の体重、身長、臍帯血アディポカインと、5差時点での、身体測定値、皮下脂肪、血圧、心拍数、空腹時血中アディポカイン、生化学検査がで含まれた。

 

結論

n-3 LCPUFAを内服した乳児は、5歳時の腹囲が小さかった(係数:1.1cm; 95%信頼区間[CI]:0.01〜2.14)

■ そして、それは交絡因子で調整しても優位なままだった(係数:0.8cm; 95%CI:0.19~1.30)。

乳児期にn-3LCPUFA内服をした5歳男児は、インスリン濃度が21%減少し(比率:0.79,95%CI 0.66〜0.94)、インスリン抵抗性が22%低下した(比率 0.78,95 %CI:0.64〜0.95)

■ 出生時、2.5歳、5歳時において、成長および心臓代謝危険因子に群間の違いはなかった。

 

結論

■ 幼児期におけるn-3 LCPUFAの内服は、5歳時での腹囲が減少した。

■ n-3 LCPUFA内服群の男児は、5歳時にインスリン濃度やインスリン抵抗性が低下し、その後の健康状態に有益な結果をもたらす可能性があるが、女児にはその効果は見られなかった。

■ コホート試験による、より長期の追跡調査は、これらの差が青年期にも維持されているかどうかを判断するために正当化される。

 

結局、何がわかった?

 ✅出生時から生後6ヶ月までω3系多価不飽和脂肪酸を内服すると、5歳時の腹囲が優位に小さく(係数:1.1cm; 95%信頼区間[CI]:0.01〜2.14)、男児のみ、インスリン濃度が21%減少し、インスリン抵抗性も22%低下した。

 

 

乳児期に魚油に含まれるω3系多価不飽和脂肪酸を内服すると、腹囲を小さくし、インスリン抵抗性を改善するかもしれない。

■ 魚やω3系多価不飽和脂肪酸による報告は少なくありません。

■ ただ、その効果は長続きしないかもしれないという報告もあり、注意は要するかもしれません。

■ もちろん内服すること自体は悪くはなさそうですので、日常診療で推奨しても良いかもしれません。

 

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今日のまとめ!

 ✅乳児期に、魚油に含まれるω3系多価不飽和脂肪酸を内服すると、腹囲を小さくしたり、インスリン抵抗性を改善する効果があるようだ。

 

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