受動喫煙は、少ない曝露量でも子どもの喘息増悪のリスクになる

受動喫煙は、大きな子どもの喘息リスクになります。では、受動喫煙は少なければいいのでしょうか?

■ 言うまでもないことかもしれませんが、受動喫煙は、子どもの喘息リスクになります。

受動喫煙は、喘息入院や救急受診を増加させる: システマティックレビュー

■ では、「副流煙」が少なければいいのでしょうか?

Neophytou AM, et al. Secondhand smoke exposure and asthma outcomes among African-American and Latino children with asthma. Thorax 2018.[Epub ahead of print]

米国本土とプエルトリコに住む、ラテンアメリカ系アメリカ人およびアフリカ系アメリカ人の喘息患児1172人に関し、血漿コチニンにより確認した受動喫煙と喘息の予後を評価した。

背景

受動喫煙(Secondhand smoke ;SHS)曝露は喘息関連転帰と関連しているが、曝露のバイオマーカーを用いた定量的用量反応はあまり報告されていない。

 

目標

■ マイノリティ小児(SHSに対しより高い濃度で曝露され、文献ではあまり示されていない影響を受けやすい集団)に関し、血漿コチニンにより確認したSHS曝露と喘息転帰に用量反応関係があるかを評価する。

 

方法

■ 米国本土とプエルトリコに住む、ラテンアメリカ系アメリカ人およびアフリカ系アメリカ人の喘息患児1172人の解析を行った。

■ 過去1年間の喘息増悪(喘息関連入院、救急室受診、経口ステロイドの処方と定義された)や喘息コントロールと、コチニンレベル≧0.05ng / mLの関係を評価するロジスティック回帰を使用した。

■ 用量応答関係は、 penalised splineを用いて一般化された加法ロジスティックモデルの連続曝露変数を用いて評価された。

 

結果

血漿コチニン量 <0.05 ng / mL群と比較し、≧0.05 ng / mL群において喘息増悪を経験するORは1.40(95%CI 1.03〜1.89)であり、喘息コントロール不良であるORは1.53(95% CI 1.12~2.13)だった。

少ないSHS曝露と関連したコチニン量でさえ、用量反応関係として曝露が増加すると喘息のアウトカムのオッズがより高くなることを示した。

論文より引用。

 

結論

■ SHS曝露は、喘息増悪のオッズがより高くなることと関連し、曝露が低レベルでも、喘息コントロールが不十分であるという用量反応応答が増加した。

■ この結果は、安全なSHS曝露量というものはないという結論を支持する。

 

結局、何がわかった?

 米国本土とプエルトリコに住む、ラテンアメリカ系アメリカ人およびアフリカ系アメリカ人の喘息患児1172人において、

 ✅血漿コチニン量 <0.05 ng / mL群と比較し、≧0.05 ng / mL群は、喘息増悪のリスクがオッズ比1.40倍(95%CI 1.03〜1.89)、喘息コントロール不良となるリスクがオッズ比 1.53倍(95% CI 1.12~2.13)だった。

 ✅受動喫煙曝露が少ないと考えられる量でも、用量依存性に喘息コントロールは不良となった。

 

 

少ない受動喫煙でも、子どもの喘息発作リスクになるようだ。

■ 受動喫煙の問題に関しては、目の前ですわなければよいとか、そういう話ではないと考えられますし、分煙で良いというわけでもないと考えます。

 

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今日のまとめ!

 ✅少ない量の受動喫煙としても、子どもの喘息発作リスクになるようだ。

 

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