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Wang G, et al. Corticosteroid plus β 2-agonist in a single inhaler as reliever therapy in intermittent and mild asthma: a proof-of-concept systematic review and meta-analysis. Respiratory research 2017; 18(1): 203.

発作時のみのβ刺激剤の吸入はリスクが高い。一方で、ステロイド吸入薬と合剤になった気管支拡張薬を増悪時吸入するという方法ではどうか?

うさみん
ほむほむ、気管支喘息の吸入ステロイド薬(ICS)はずいぶん普及してきたよね。

ほむほむ
そうだね。僕が医師をはじめたころは、まだ吸入ステロイド薬もロイコトリエン拮抗薬も小児に使えなかったから、隔世の感があるね。とはいえ、Webベースの調査ではまだ30%程度の普及率だそうだし、実際にはICSをそうそうに中止して発作をおこしてしまって救急外来に駆け込む方もすくなからずいらっしゃる。ICSを使えばよいというわけでもまったくないから、さらに適切な使用を心がける時期ではあるとも思うけど、、、

うさみん
それは困りますね、、、
何とかいい方法はないですかねえ。
例えば、発作が起こりそうだったら、吸入ステロイド薬を増やすのはどうですか?

ほむほむ
残念ながら、その方法はさらなる増悪を抑えないことが、最近の大規模介入ランダム化比較試験で明らかになったんだ。

うさみん
そうか、、
他にいい手はないですか?

ほむほむ
そうだなあ。
私は、必ずしも強く推奨はしていないけど、SMART療法という手があるかもしれないね。
SMART療法は、ステロイド吸入薬と気管支拡張薬の合剤を状況に応じて増減する治療法なんだ。
一般には、シムビコート(日本では小児には未承認)という、気管支拡張薬にフォルモテロールが使用されている製剤が適応になるね(例えばアドエアは本来適応できない)。
そのメタアナリシスがあったので紹介しよう。

 

 

間欠的・軽症喘息患者の単剤療法としての吸入ステロイド薬+短時間作動生βアゴニストを必要に応じて使用する(SMART療法)を検討したランダム化比較試験6件(1300人)に関するメタアナリシスを実施した。

背景

■ 現行のガイドラインでは、中等症から重症喘息に対し、単一の吸入器による維持療法&レリーバー療法(single inhaler maintenance and reliever therapy ; SMART)レジメンを推奨している。

■ しかし、間欠的もしくは軽症喘息の管理におけるレリーバー治療としての吸入ステロイド+短時間作動性β2-アゴニスト(inhaled corticosteroid plus fast-onset-acting β2-agonist; ICS / FABA)のエビデンスは不足している。

 

目的

■ 間欠的もしくは軽症持続性喘息に罹患している小児および成人におけるレリーバー療法としての、単一吸入器におけるICS+FABAレジメンの有効性および安全性をシステマティックに検討する。

 

方法

■ 間欠的または軽症喘息患者の単剤療法としてICS / FABAを必要に応じて使用するランダム化比較試験(randomized controlled trials; RCT)に関し、オンライン・データベースを検索した。

■ プライマリ・アウトカムは、喘息の増悪と、最初の増悪までの期間のハザード比(hazard ratio; HR)だった。

 

結果

■ ランダム化比較試験 6研究(1300人)がリクルート基準を満たした。

必要時のFABAレジメンと比較して、単剤療法としてのICS / FABAの必要時の使用は、統計的に増悪を減少させた(RR = 0.56; P = 0.001)

通常のICSレジメンと比較して、必要時のICS / FABA療法は、増悪リスクがわずかに高かった(RR = 1.39、P = 0.011)

ICS / FABAレジメンにおける最初の増悪までの期間におけるHRは、FABAレジメン(HR = 0.52、P = 0.002)と比較して有意に低かったが、ICSレジメン(HR = 1.30、P = 0.286)と比較すると有意差はなかった

■ ICS連日使用レジメンにおけるステロイドの曝露量は、ICS / FABAレジメンによる必要時の使用と比較し2〜5倍だった。

 

結論

■ 今回の解析では、症状に基づく治療としてICS / FABAレジメンは、間欠的または軽症喘息に対する有望な代替レジメンであるかもしれないが、これらの知見を確認するためにはさらに現実的なランダム化比較試験が必要とされる。

 

結局、何がわかった?

 ✅必要時のみの短時間作動性β刺激薬の使用より、必要時のICS/FABA使用(SMART療法)のほうが、喘息増悪が少なかった(RR = 0.56; P = 0.001)。

 ✅ICS定期使用と比較して、必要時のICS/FABA使用(SMART療法)は、増悪リスクが少し高くなった(RR = 1.39、P = 0.011)。

 ✅ 必要時のICS/FABA使用(SMART療法)は、最初の増悪までの期間が必要時のみの短時間作動性β刺激薬の使用より低かった(HR = 0.52、P = 0.002)、ICS定期使用と比較し有意差はなし(HR = 1.30、P = 0.286)。

 

 

軽症喘息に対する必要時のICS/FABA使用(SMART療法)の有効性はあるようだが、、

■ 日本と海外の喘息重症度は異なりますし、このまま日本に持ってくることは難しいとは思いますが、SMART療法は一つの治療選択肢と言えると思います。

■ たとえば、 SMART療法群と,発作時のみ別のFABAを使用するというスタディでもSMART療法有意であったという報告もあります(Atienza T, et al. Budesonide/formoterol maintenance and reliever therapy via Turbuhaler versus fixed‐dose budesonide/formoterol plus terbutaline in patients with asthma: Phase III study results. Respirology 2013; 18:354-63.)

■ ただし、この治療はアドヒアランスの低下を招く可能性もありますし、そもそもSMART療法に使用できるシムビコートが小児適応がないのが難しいところです。

 

 

今日のまとめ!

 ✅SMART療法は、①必要時のみの短時間作動性β刺激薬の使用より喘息増悪が少なく、ICSの使用量を減らせるかもしれないが、(小児に関しては特に)さらなる検討を要する。

 

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