喘息に対するSMART療法は思春期の小児でも有用か?

Jorup C, et al. Budesonide/formoterol maintenance and reliever therapy in adolescent patients with asthma. Eur Respir J 2018; 51.

喘息に対するSMART療法は、思春期の小児でも有用か?

うさみん
ほむほむ、SMART療法って、以前したよね?

ほむほむ
うん、成人だけどメタアナリシスを紹介したよね。

あかちゃん
あのさ、ほむほむ。
このブログ、「小児アレルギー科医の備忘録」だよな?
こどもにも気をつかわんといけんのんじゃあないんか?

ほむほむ
うっ、、
そうだね、、小児に対するSMART療法の報告は少ないんだけど、最近、12歳以降での報告があったので紹介しよう。

 

12~17歳の持続性喘息に対し、ブデソニド/フォルモテロール(シムビコート)を使用した二重盲検試験6件に対し事後解析を行い、SMART療法の有効性を検討した。

背景

■ 若年者では喘息コントロールはしばしば最適ではないが、この集団で喘息治療を評価した研究はほとんどない。

 

方法

■ このpost-hoc解析では、無作為化二重盲検試験6件において、青年期(12〜17歳)の持続性喘息治療に対するブデソニド/ホルモテロール(BUD / FORM)維持よび緩和療法(maintenance and reliever therapy; MART)の有効性および安全性を評価した。

■ プライマリエンドポイントは、最初の重篤な増悪までの時間だった。

■ セカンダリエンドポイントは、喘息関連症状、夜間覚醒、朝のピークフロー、強制呼気1秒量、必要時の薬剤使用、5項目喘息コントロール質問票スコア(five-item asthma control questionnaire scores)だった。

 

結果

■ 思春期の小児 1847人において、BUD / FORM によるMART療法は、最初の重篤な増悪リスクを低減するための各試験の比較対象と比較して同等もしくはそれ以上であり(BUD / FORM MART vs 比較対象のハザード比 [HR] 0.15~1.01; pooled HR 0.49,95%CI 0.34~0.70)、成人のサブグループ12197人と同様のアウトカムだった。

■ セカンダリエンドポイントについても、BUD / FORM MARTについて同様の治療効果が観察された。

■ 必要に応じた薬物使用は、BUD / FORM MARTでは比較対象よりも少なく、BUD / FORM群の必要に応じた薬物使用は成人よりも思春期の小児での使用が少なかった。

■ 治療は忍容性が高かった。

 

結論

■ この解析は、持続性喘息のある青年におけるBUD / FORM MART療法を支持し、その有効性および安全性は成人について報告されたものと一致した。

 

結局、何がわかった?

 ✅BUD / FORM(シムビコート) による、適宜使用量を増減する(MART)療法は、最初の重篤な増悪リスクを、対照と同程度もしくは低減した(BUD / FORM MART vs 比較対象のハザード比 [HR] 0.15~1.01; pooled HR 0.49,95%CI 0.34~0.70)。

 

 

思春期でもSMART療法は有効で、成人と大きな差はないようだ。

■ この論文ではMART療法と記載されていますが、SMART療法と同様の方法です。

■ SMART療法に関しては、かならずしも私は賛成の立場ではないのですが、オプションとしてのカードとしています。また、ステロイド吸入を漸減した途中に導入するといいかもしれないと考えています。

 

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今日のまとめ!

 ✅思春期でもSMART療法は有効のようだ。

 

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