以下、論文紹介と解説です。

Taghavi Ardakani A, et al. The effects of melatonin administration on disease severity and sleep quality in children with atopic dermatitis: A randomized, double-blinded, placebo-controlled trial. Pediatr Allergy Immunol. 2018; 29:834-40. PMID: 30160043 

6〜12歳のアトピー性皮膚炎児70人をメラトニン内服群(6mg/日)とプラセボ群にランダム化し6週間観察し、有効性を確認した。

背景

■ この臨床試験の目的は、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)と診断された小児において、重症度および睡眠の質に対するメラトニン投与の効果を決定することだった。

 

方法

■ このランダム化二重盲検プラセボ対照試験は、ADと診断された6〜12歳の患者70人をリクルートして実施した。

■ 研究参加者は、6週間にわたり6 mg /日のメラトニンサプリメントまたはプラセボ(各群35名)を受けるために、2群にランダム化された。

SCoring Atopic Dermatitis(SCORAD)objective-SCORADを用いて疾患の重症度を評価した。

■ 睡眠の質は、Children's Sleep Habits Questionnaire(CSHQ)を記入することによって評価した。

 

結果

介入6週間後、メラトニン内服はSCORAD(β -3.55; 95% CI, -6.11, -0.98; P = 0.007)、objective-SCORAD (β -3.23; 95% CI, -5.08, -1.38; P = 0.001)、血清総IgE値(β -153.94 ku/L; 95% CI, -260.39, -47.49; P = 0.005)、CSHQスコア(β -2.55; 95% CI, -4.34, -0.75; P = 0.006)を有意に改善した。

■ しかし、メラトニンはプラセボと比較し、掻痒スコア、高感度C反応性タンパク(hs-CRP)、入眠潜時、総睡眠時間、体重、BMIに有意な影響を及ぼさなかった。

 

結論

■ 全体として、メラトニン内服は、ADのある児において疾患重症度、血清総IgE値、CSHQに有益な効果があった。

 

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メラトニンは、日本では入手困難ですが海外ではドラッグストアで販売されているケースもあります。

■ メラトニンを使用した先行研究では睡眠開始までの時間は、メラトニンで21.4分短縮された(95%CI、-38.6〜-4.2; P = .02)と報告されています。

■ どちらも小規模な研究なので、まだまだこれからの検討を要しそうですが、有望なら日本にも導入していただきたいものです。

■ 以前海外に行ったときにドラッグストアでみてみると、メラトニンが普通に売っていました。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ メラトニンは、小児アレルギー性皮膚炎の重症度を改善する可能性がある。

 

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