以下、論文紹介と解説です。
Cetinkaya PG, et al. Predictive factors for progression to chronicity or recurrence after the first attack of acute urticaria in preschool-age children. Allergologia et Immunopathologia 2019.[Epub ahead of print]
急性蕁麻疹に罹患した5歳未満の小児83人に関し、原因として感染症が関与しているかを検討した。
はじめにと目的
■ 就学前はしばしば蕁麻疹の影響を受ける。そして感染症は小児の急性蕁麻疹を引き起こす最も頻繁に文書化される原因である。
■ この前向き研究は、5歳未満における急性蕁麻疹の要因を調査し、最初の蕁麻疹語の慢性もしくは再発性蕁麻疹への進行する予測因子を説明するためにデザインされた。
患者と方法
■ 2015年7月から2016年7月に急性蕁麻疹に罹患した5歳未満の小児がリクルートされた。
■ 患者 83人は2歳以下および2歳以上に分類された。
■ 慢性または再発性への進行に対する危険因子を評価するために、ロジスティック回帰解析を実施した。
結果
■ 上気道感染症が急性蕁麻疹の最も一般的な検出可能な理由だった(49.4%)。
■ 単純ヘルペスウイルス1型は急性で単回の蕁麻疹の発症を伴う例で有意に分離された(p = 0.042)。
■ 血管浮腫や食物アレルギーは主に2歳未満で観察された(それぞれp = 0.001; p = 0.006)。
■ 蕁麻疹の持続期間と慢性化に正の関係が確認された(r = 0.301; p = 0.006)。
■ アトピー性皮膚炎がない(OR:6.95、95%CI:1.35〜35.67、p = 0.020)、血清ヘルペスウイルス検査陰性(OR:4.25、95%CI:0.83〜21.56、p = 0.040)、病因不明(OR :3.30、95%CI:1.12-9.71、p = 0.030)は、再発性じんましんの独立した危険因子だった。
結論
■ 急性じんましんのある就学前の児は、初診時に感染症について評価されるべきである。
■ 原因不明の病因、ヘルペスウイルス血清検査陰性、アトピー性皮膚炎がない、長期持続するじんましんのある患者は、慢性および再発性について追跡調査されるべきである。
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小児の急性蕁麻疹は、半数が風邪を引いているようだ。
■ 急性蕁麻疹の受診は決して少なくありませんが、確かに風邪を引いているお子さんが多いように思います。
■ もともと、急性蕁麻疹は1~2週間で改善することがおおく、私は「風邪が治る頃には蕁麻疹も治っていることが多いよ」ということもありますが、エビデンスにはあまり基づきません。
今日のまとめ!
✅ 小児の急性蕁麻疹の半数は、上気道炎が関連しているようだ。