以下、論文紹介と解説です。

Chaithirayanon S. Comparative Study between Talcum and Zinc Oxide Cream for the Prevention of Irritant Contact Diaper Dermatitis in Infants. J Med Assoc Thai 2016; 99 Suppl 8:S1-s6.

生後6〜12ヶ月の乳児50人をタルカムパウダーと酸化亜鉛クリーム外用にランダム化し、おむつ皮膚炎発症までの期間を比較した。

背景

■ タルカムパウダー(ケイ酸マグネシウム)を有効成分とするベビーパウダーは、吸水性と摩擦性を低下させる作用を有するため、古くから刺激性接触おむつ皮膚炎の予防に広く使用されてきた。

■ 大量に吸入すると肺合併症の副作用や、成人における卵巣腫瘍のリスクに関する症例報告がある。

■ しかしながら、おむつ皮膚炎の予防に対しタルカムパウダーが有効かどうかを検討した臨床研究はない。

 

目的

■ 刺激性おむつ皮膚炎の予防のためのタルカムパウダーと酸化亜鉛クリーム外用の有効性を比較する。

 

材料と方法

生後6〜12ヶ月のタイ人乳児50人がランダム化された。

■ 新しいおむつを交換する前に、タルカムパウダー外用または酸化亜鉛クリーム外用のいずれかを皮膚に塗布した。

■ 追跡調査は、おむつ性皮膚炎の発症を評価し、発症までの期間の中央値(疾患発症までの期間)を集めるために、研究開始0、2、8週目に実施された。

■ 臨床的重症度は、おむつ皮膚炎重症度スコアリングスケールを使用することによって評価され、副作用が記録された。

 

結果

■ 乳児の平均月齢は8.8ヶ月だった。

タルカム群からの刺激性接触おむつ皮膚炎の発生率は1,000人/ 日あたり4人(95%信頼区間 95%CI 2-7)だったが、酸化亜鉛群からのおむつ皮膚炎の発生率は1,000人/日あたり2人だった(95%CI 1〜5)

■ タルカム群のおむつ性皮膚炎のイベントまでの期間の結果の中央値は19日(四分位範囲 IQR 7〜29)であり、酸化亜鉛グループの39日(IQR 30〜59)よりも早かった。

■ これは統計的に有意な差を示した(p = 0.03、Log rank test)。

■ タルカム群の平均疾患期間(平均±SD)は2.7±0.5日であり、酸化亜鉛群のそれは3.7±3.3日であり、2群間に有意差はなかった(p = 0.34)。

■ 両群に見られる疾患重症度は、大部分が軽症だった。

■ Cox比例ハザード分析を用いて決定された、第8週目のおむつ皮膚炎のリスク評価は、タルカム群が酸化亜鉛群よりも5.3倍リスクが大きく(ハザード比[HR] 5.3; 95%信頼区間[CI] 1.4-20.0)、有意な群間差があった(p = 0.01)。

■ 両群で有害事象は認められなかった。

 

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亜鉛華軟膏は、ベビーパウダーよりもおむつ皮膚炎の悪化を防ぐかもしれない。

■ ちなみに、「亜鉛華軟膏」と「亜鉛華”単”軟膏」では、亜鉛華軟膏のほうが吸湿性がよく、浸出液が多い場合に適します

■ ですので、亜鉛華軟膏の方がおむつ皮膚炎には向いているといえそうです。

亜鉛華軟膏にはいろんな商品名があり、例えば佐藤製薬のサトウザルベなどがあります。

■ 亜鉛華単軟膏製剤のうちのひとつに佐藤製薬のサトウザルベなどがあります。

■ どうでもいい豆知識ですが、「ザルベ」とは泥膏という意味です。つまり、「泥みたいなべっとりした軟膏」ということですね。そうすると「エキザルベ」なども軟膏の性質のイメージがつきますよね。

■ さらにどうでもいい豆知識ですが、シッカロールは、1916年に和光堂が販売を始めたベビーパウダーの商品名。これが日本では初のベビーパウダーなんだそうです。ただし、シッカロールは成分が変化してきており、現在はコーンスターチがメインになってきているようです(タルクが含有される場合もあります)。

 

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今日のまとめ!

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