以下、論文紹介と解説です。

Brown GE, et al. Clinical Utilization of Repeated Open Application Test Among American Contact Dermatitis Society Members. Dermatitis 2015; 26:224-9.

米国接触皮膚炎学会会員計67人に対するROATのアンケート調査結果と、ROATを検討した32研究の方法を比較し、どのように使用されているかを確認した。

背景

反復オープン塗布テスト(repeated open application test; ROAT)は、アレルギー性接触皮膚炎の疑いのある例に対し、アレルゲンに関する有用な情報を提供する。

■ しかし、標準化された方法は確立されていない。

 

目的

■ ROATが臨床および研究のセッティングでどのように使用されているかを評価することを目的とした。

 

方法

■ 米国接触皮膚炎学会(American Contact Dermatitis Society)にROATの実践方法に関する調査を配信し、研究におけるROATの利用に関する文献レビューを実施した。

 

結果

■ 米国接触皮膚炎学会会員計67人が調査に参加した。

■ 回答者は、洗い流さない製品は1日2回(46.0%)、洗い流す製品を1日1回(43.5%)塗布することを最も頻繁に推奨した。

■ 最も一般的に使用されていた部位は前腕(38.7%)と肘窩(32.3%)だった。

■ 回答者の多くは、1週間(49.2%)または2週間(31.7%)、ROATを継続した。

32研究(洗い流さない製品26件、洗い流す製品6件)の文献レビューでは、塗布頻度は洗い流さない製品(96.2%)と洗い流す製品(50.0%)ともに1日2回が最も一般的だった。

最も一般的な塗布部位は前腕(62.5%)であり、全体の試験期間は3〜4週間(65.6%)だった。

 

結論

■ ROATの臨床と研究の実践方法を比較すると、全体的な傾向は洗い流さない製品の塗布頻度と部位が一致していたが、洗い流す製品の塗布頻度や全体としての塗布期間は一致していなかった。

■ ベストプラクティスの推奨事項を決定するには、さらなる調査が必要である。

 

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ROATに関して、今後の標準化された方法を確立する必要はありそうですが、実践的な方法だろうとも思います。

■ 先日聴講した皮膚科の先生の講演でROATを知ったのですが、後から調べると結構歴史があるのだなあと再認識しました。

■ 臨床医へのアンケートでは、洗い流さない製品は1日2回、洗い流す製品なら1日1回を1週間、というパターンが最も多いようですが、研究では1日2回を3~4週間と差が出てしまったと言うことでしょう。

■ 臨床というセッティングでは仕方がないようにも思いますが、これを標準化する必要性がありそうです。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ ROATに関し、臨床医へのアンケートでは洗い流さない製品は1日2回、洗い流す製品なら1日1回を1週間、というパターンが最も多く、研究での報告ではでは1日2回を3~4週間が最も多かった。

 ✅ ROATに関する標準化が求められている。

 

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