以下、論文紹介と解説です。

Masuyama K, et al. Efficacy and safety of SQ house dust mite sublingual immunotherapy‐tablet in Japanese children. Allergy 2018; 73:2352-63.

ダニに対するアレルギー性鼻炎のある日本人小児458人を舌下免疫群とプラセボ群にランダム化し、1年間の治療効果を評価した。

背景

■ SQチリダニ(house dust mite; HDM)舌下免疫療法(sublingual immunotherapy; SLIT) 錠剤(TO-203、Torii、日本/ ALK、デンマーク)は、ヨーロッパ、日本、北米の12歳以上の呼吸器アレルギー疾患に対する試験で有効だった。

■ この試験は、中等度から重度のHDMアレルギー性鼻炎(allergic rhinitis; AR)の日本人小児(5〜17歳)に対するこの治療の有効性と安全性を調査するために実施された。

 

方法

■ このランダム化二重盲検プラセボ対照試験では、日本人小児458人がSQ HDM SLIT-錠剤[ヨーロッパおよび米国では6 SQ-HDMに相当]プラセボ(1:1)毎日使用1年間にそれぞれランダムに割り当てられた。

■ 対症療法を中止した慣らし期間14日間中に少なくとも7日間、7以上のAR症状スコアが参加に必要だった。

■ 主要評価項目は、治療期間の最後の8週間におけるAR症状および投薬スコアを含む総鼻炎スコア( total combined rhinitis score; TCRS)だった。

 

結果

■ 主要評価項目の解析により、プラセボと比較してSLIT 10,000 JAUにおいて23%の相対差(95%信頼区間 ;14%~31%)でTCRSが統計的に有意に1.22 低下したことが示された。

■ 事前に定義された層別解析により、小児(5-11歳)と思春期(12-17歳)の小児において、それぞれ1.11(P = 0.002); 21%(8%~32%)と1.36(P = 0.001); 26%(11%~38%)という同程度の有効性を示した。

■ この治療は、小児と思春期の両方の被験者に対する忍容性が良好だった。

 

結論

■ この試験は、中等症から重症のHDMに対するARのある小児患者におけるHDM SLIT錠の有効性と安全性を初めて実証した(JapicCTI-152953)。

 

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スギ・ダニの舌下免疫療法が普及する段階に入ってきて、同時使用も考えて行く時代になりそうです。

■ スギSLITに比較して、ダニSLITの効果はやや低い印象ですが、効果は有意と評価されました。

■ 現状では、日本人おいてダニ・スギ以外の舌下免疫療法は保険適応がありません。

■ 今後、これらを同時に行う例も増えてくるでしょう。

■ 同時使用に関する報告もでてきましたので、後日ご紹介したいと思っています。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ ダニ舌下免疫療法は、5歳以降の小児でも有効である。

 

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