以下、論文紹介と解説です。

Fleischer DM, et al. Peanut allergy: recurrence and its management. J Allergy Clin Immunol 2004; 114:1195-201.

ピーナッツアレルギーに対する経口免疫療法法を実施し食べられるようになった68人に対し、再燃する危険因子を評価した。

背景

■ ピーナッツアレルギーは再発する可能性があるにもかかわらず、これが起こる頻度は不明である。

 

目的

■ 本研究の目的は、ピーナッツアレルギーの再燃率を確認し、再発するピーナッツアレルギーの危険因子を特定し、ピーナッツアレルギーが改善した患者の治療に関する具体的な推奨事項を開発することにあった。

 

方法

■ ピーナッツアレルギーを克服した小児は、アンケート、皮膚テスト、ピーナッツ特異的IgE抗体価が評価された。

■ 再燃したという反応である可能性のある病歴が、食物負荷試験が潜在的に危険であるという確証がない限り、二重盲検プラセボ対照食物負荷試験(double-blind, placebo-controlled food challenge; DBPCFC)を受けるように推奨された。

 

結果

68人が評価された。

■ 47人はピーナッツに対する寛容が持続していたが、そのうち34人は濃度の高いピーナッツ製品を月に1回以上摂取しており、13人はピーナッツをまれにまたは限られた量でしか摂取していなかったが、DBPCFCを通過した。

■ 18人は、ピーナッツをまれに、または限られた量でしかピーナッツを摂取していなかったが、DBPCFCを受けなかったため、不確定だった。

最初に、皮膚プリックテストまたはピーナッツ特異的IgE抗体価のみに基づいてピーナッツアレルギーと診断された患者12人を除外した後、ピーナッツを頻繁に摂取していた23人に再燃がなかったのに対し、ピーナッツをまれにまたは限られた量でしか摂取しなかった15人中3人が再燃した(P = 0.025)

再燃率は7.9%(95%CI 1.7%~21.4%)だった。

 

結論

■ ピーナッツアレルギーを治療した小児には再燃のリスクがあり、このリスクはアレルギーの改善後もピーナッツを除去し続ける患者の方が有意に高くなる。

■ これらの知見に基づき、患者が持続的なピーナッツに対する耐性を示すまで、ピーナッツを頻繁に食べることとエピネフリンを無期限に携帯することを推奨する。

 

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経口免疫療法で摂取できるようになっても、継続して摂取しなければ寛容が失われるリスクが高くなる。

■ やや古い報告ですので、最後の推奨がややきつめの文言ですが、結局、継続した摂取を推奨しているということになるでしょう。

■ とくに、摂取できるようになっても、特異的IgE抗体価が高いと再燃も多いのではという最近の報告もあります。

■ では、「どれくらい」、「どれくらいの頻度」で「いつまで」もまだはっきりしていませんし、食物毎にも異なる可能性もあります。

■ 医師によって考え方が異なる科とは思いますが、経口免疫療法で食べられるようになっても、週2回以上は継続して摂取を推奨した方がいいのではと私自身は思っています。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ ピーナッツ経口免疫療法が成功しても、継続摂取しなければ再燃が有意に多い。

 

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