以下、論文紹介と解説です。

Permaul P, et al. Sesame allergy: role of specific IgE and skin prick testing in predicting food challenge results. Allergy and asthma proceedings, 2009:643.

ゴマアレルギーを疑われ負荷試験を行った2〜12歳の小児の33回の負荷試験の結果と、特異的IgE抗体価・皮膚プリックテストの結果を比較検討した。

背景

■ ゴマ特異的IgE抗体価とゴマに対する皮膚テストの診断的価値に関するデータは矛盾している。

■ 現在、臨床的な反応性を予測するための確立された閾値はない。

 

方法

■ ゴマアレルギーが疑われる小児におけるゴマのImmunoCAPおよび皮膚プリックテスト(skin-prick test ; SPT)の結果と経口負荷試験の結果との相関関係を検討した。

■ 2004年1月から2008年8月にかけて、ボストンの小児病院とその提携アレルギークリニックにおいて、ゴマ特異的ImmunoCAP抗体価・SPT・食物負荷試験を受けた2〜12歳の小児を、後ろ向きにカルテを検討した。

■ 疑わしい病歴がある、または明らかな病歴にもかかわらずImmunoCAP陰性 and/or SPT陰性の場合には、食物負荷試験が行われた。

 

結果

ゴマに対する33回の経口負荷試験が行われた。

■ 実施された33回のうち、21%(n = 7)が負荷試験陽性であり、79%(n = 26)が陰性だった。

ゴマ特異的IgE抗体価が7 kU(A)/ L以上の場合、特異度は90%以上だった。

SPT径6mm以上では、>90%の特異度だった。

■ ゴマ特異的IgEについてのReceiver operator characteristic (ROC)曲線分析は、0.56の曲線下面積(area under the curve; AUC)だった。

■ SPT膨疹径についてのROC曲線分析は、AUC0.67だった。

 

結論

■ 我々の知る限り、この研究はゴマ特異的IgE抗体価とSPTの両方の診断的価値を評価するために行われたゴマ経口負荷試験における最も大規模なものである。

■ 我々の検討例に基づくと、両試験は経口負荷試験による決定されるに際し、本当のゴマアレルギーを予測する因子として良好ではない

■ ゴマ特異的IgE抗体価とSPTの両方について、95%陽性適中率における閾値を設定することはできなかった。

 

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ゴマ特異的IgE抗体価や皮膚プリックテストの有用性は低い。

■ ゴマ特異的IgE抗体価や皮膚プリックテストの有用性はやはり低く、コンポーネント対する検討が進んでいます。

■ 例えば、ゴマのコンポーネントである「Ses i 1」の有用性などがすでに報告されるようになっており、臨床応用が期待されています。

 

今日のまとめ!

 ✅ゴマ特異的IgE抗体価や皮膚プリックテストの有用性は低いため、コンポーネントに対する検討・実用化が期待されている。

 

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