以下、論文紹介と解説です。

Ou-Yang H, et al. Sun Protection by Beach Umbrella vs Sunscreen With a High Sun Protection Factor: A Randomized Clinical Trial. JAMA Dermatol 2017; 153:304-8.

参加者81人をビーチパラソルのみ群、SPF 100のサンスクリーンのみ群にわけて3時間半日光に曝露させ、日焼けの程度を評価した。

重要性

■ 日光防御行動は皮膚がんの予防に影響する。

■ 日陰は、直接的に有害な紫外線から皮膚を物理的に遮蔽することで機能する。

■ しかし、皮膚は反射された紫外線や間接的な紫外線には暴露されたままになる可能性がある。

■ 日傘の効果を評価する現在の標準的な測定基準はないため、ビーチパラソルだけで十分な日よけを提供できるという臨床的なエビデンスは不足している。

 

目的

■ 標準的なビーチパラソルが示す日焼け防止効果を、実際の使用条件下で高いSPF(sun protection factor)がある日焼け止めと比較して直接測定する。

 

試験デザイン、セッティング、参加者

■ 単一施設の評価者盲検ランダム化臨床試験を、2014年8月13日~15日までテキサス州レークルイビル(標高159m)においてFitzpatrick皮膚タイプI (n=1)、タイプII (n=42)、タイプIII (n=38)、全81人の参加者で実施された。

フィッツパトリック皮膚タイプ
フィッツパトリック皮膚タイプは、日焼けのタイプをわけたものです。

■ 参加者を2群にランダム化され、1群はビーチパラソルのみを用い、もう1群はSPF 100のサンスクリーンのみを用いた

■ 全参加者は日中3時間半、日当たりの良いビーチに留まった。

■ 日光暴露22~24時間後に、暴露したすべての部位について各人の日焼けの臨床的評価を実施した。

 

介入

■ ビーチパラソルで提供される日陰、またはSPF100のサンスクリーン。

 

主な結果と計測

■ 日光曝露22~24時間後における曝露部位すべての日焼け。

 

結果

評価した全ての身体部位(顔、首の後ろ、胸の上部、腕、脚)に対する81人(男性25人、女性56人;平均年齢 [SD] 41歳[16])において、ビーチパラソル群は試験開始時と比較して臨床的な日焼けスコアが統計的に有意な増加を示し、サンスクリーン群よりも曝露後の全体的スコアが高かった(0.75対0.05;P<。001)

日焼けの発生はビーチパラソル群142箇所、サンスクリーン群17箇所だった。

ビーチパラソル群 41人中32人(78%)が1箇所以上の部位に紅斑を示したのに対し、サンスクリーン群では40人中10人(25%)が紅斑を示した(P< 0.001)

■ ビーチパラソルもサンスクリーンだけでは完全に日焼けを防ぐことはできなかった。

 

結論と妥当性

■ ビーチパラソルだけでは、長時間の紫外線曝露を十分に防ぐことはできない。

■ 最適な防護を達成するために複数の日光防護手段を組み合わせる必要があるかもしれないことを一般市民に教育することが重要である。

 

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日傘だけでは、日焼け予防には不十分である。

■ 日傘自体がいけないわけではなく、それだけでは不十分といえましょう。

■ また、SPF100となると、やや強すぎてかぶれる可能性もあります。

 

今日のまとめ!

 ✅ 日焼け予防に関して、日傘だけでは不十分であり日焼け止めをきちんと考慮したほうがよさそうだ。

 

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