以下、論文紹介と解説です。

Rodriguez-Martinez CE, et al. Factors predicting persistence of early wheezing through childhood and adolescence: a systematic review of the literature. J Asthma Allergy 2017; 10:83-98.

2016年6月までの、喘鳴を反復する年少児の喘鳴持続の予測因子を確認した研究を検索し、関連する因子を検討した。

背景

■ 反復性喘鳴のある年少児における持続性喘息への早期に同定するために、初期の喘鳴が持続するかを予測するための少なくとも1つの因子を同定した全ての利用可能な研究を同定することは有用である。

■ 本研究の目的は,反復性喘鳴の年少患者における症状の持続を予測する因子を同定した全ての研究のシステマティックレビューを行うことだった。

 

方法

■ 2016年6月までにMEDLINE、EMBASE、CINHAL、SCOPUSの各データベースを検索し、関連する研究のシステマティックレビューを実施した。
喘鳴を反復する年少児の喘鳴持続の予測因子を同定した研究が検索された。

■ さらに2人の独立したレビュワーが文献を選別し、関連したデータを抽出した。

 

結果

■ 文献検索では649件が検索され、そのうち619件は関連性がないため除外された。

■ 参考文献リストから5件の追加の研究を特定し35件を最終的にレビューに含めた。

■ 同定された全ての予測因子の中で、最もよく同定されたものは、喘息またはアレルギー疾患の家族歴、アレルギー疾患の既往、生後早い時期のアレルゲン感作、喘鳴/症状の頻度、臨床経過、重症度だった。

 

結論

親の喘息(特に母親)、親のアレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、持続性喘鳴、感冒を伴わない喘鳴、運動誘発性喘鳴、重症の喘鳴エピソード、アレルゲン感作(特に多数の感作)、好酸球(血液または鼻汁中のECP)、呼気一酸化窒素は、学童期期を通して喘鳴が持続することを予測する危険因子だった。

■ これらの全て、Asthma Predictive Index(API; 喘息予測インデックス)とその修正など、将来の喘息を予測するための従来のアルゴリズムに含まれる。

 

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喘息予測インデックス(API)は有効だが、調査する集団ごとに予測がずれる可能性があることを念頭におく必要がある。

■ 喘息予測インデックスは有用ですが、その後さまざまな予測ツールが発表されています。

■ 特殊な検査が必要のない喘息予測インデックスは日常診療に有用ではありますが、個別にはなかなか適応しづらいことも配慮するべきでしょう。

■ これら以外にも、肥満や受動喫煙は持続する因子として報告されており、これら「予防できる」介入も必要ですし、妊娠中の母の丁寧な喘息治療も児の喘息発症を減らすかもしれないという報告もあります。

 

今日のまとめ!

 ✅ 喘息予測インデックスに関して、配慮すべき項目に関してレビューされた。

 

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