以下、論文紹介と解説です。

Leino A, et al. Pulmonary function and bronchial reactivity 4 years after the first virus‐induced wheezing. Allergy 2019; 74:518-26.

生後3カ月から23カ月にはじめての喘鳴を呈した小児76人に関し、4年後の喘息への移行リスクを評価した。

背景

■ 乳幼児期における喘鳴は一般的であり、喘息の危険因子である。

■ しかし、喘息の鍵となる特徴である小児気管支の反応性に関する決定要因はほとんどわかっていない。

■ 本研究の目的は、最初の重篤なウイルスによる喘鳴エピソード時の患者の特徴が、就学前の年齢における肺機能とどのように関連するかを決定することだった。

 

方法

■ この研究では、生後3カ月から23カ月において最初の喘鳴を呈した小児76人を対象とした。

■ 研究登録時に病因となったウイルス、ライノウイルスゲノム量、アレルギー性や臨床的特徴、標準化されたアンケートを分析した。

■ 4年間のフォローアップ訪問において、運動負荷を含むインパルスオシロメトリーを実施した。

 

結果

■ 試験登録時、小児の年齢は平均12ヵ月(SD 6.0)、ライノウイルス陽性は57人(75%)、感作は22人(30%)だった。

■ 4年後のフォローアップにおいて、児の年齢の平均は60か月(SD 7.9)であり、37人(49%)は定期的に喘息治療薬を使用していた(25人[68%]は試験前に喘息薬を中止された)。

■ 運動負荷や気管支拡張後の気道反応性(気道抵抗変化の平均値が35%以上)は9人(12%)だった。

最初の喘鳴発現時にアレルゲン感作のある児は、感作のない児よりも気道反応性を発症する可能性が高かった(オッズ比8.8; P=0.03)

■ 他の有意な関連は認められなかった。

 

結論

■ 最初の重症喘鳴エピソード時のアレルゲン感作は,就学前年齢での気管支反応性増加に対する重要な危険因子である。

 

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やはり、乳児期の感作はその後の喘息発症・もしくは持続に影響すると言えそうだ。

■ 乳児期にダニに対する感作があると、一般的な鼻風邪ウイルスであるライノウイルス感染をきたすたびに大きく感作が進むことが報告されています。

■ すなわち、2歳未満に風邪にともなった喘鳴をきたした児が既に吸入抗原に感作されているとその後の喘息の持続に大きく影響するということだろうといえます。

 

今日のまとめ!

 ✅ 生後3カ月~23カ月ではじめての喘鳴のあった時点で、すでに感作されていると4年後の喘息への移行するリスクが有意に高い。

 

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