以下、論文紹介と解説です。

Treepongkaruna S, et al. A randomised, double-blind study of polyethylene glycol 4000 and lactulose in the treatment of constipation in children. BMC Pediatr 2014; 14:153.

生後12~36ヵ月の幼児88人に関し、ラクツロース(3.3 g/日)群またはモビコール(1日8g)群にランダム化し、4週間後の排便回数を比較した。

背景

■ 小児では慢性便秘の頻度が高い。

■ 本研究の目的は、幼児における慢性便秘の治療におけるPEG4000とラクツロースの有効性と安全性を比較することだった。

 

方法

■ このランダム化二重盲検試験には生後12~36ヵ月の幼児88人が登録され、ラクツロース(3.3 g/日)またはPEG4000(1日8g)をそれぞれ4週間投与されるようにランダム化された。

■ プライマリアウトカムは、治療4週後の排便回数だった。

■ セカンダリアウトカムは、各受診時の排便に関連した自覚症状と頻度だった。

 

結果

■ 試験開始時、排便頻度は両群で同等だった(ラクツロース 0.7±0.5回;PEG4000:0.5±0.55回)。

平均排便回数は、ラクツロース群では試験開始時の0.7±0.5回/日から4週目の0.8±0.41回/日に、PEG4000 群では0.50 ± 0.55回/日から1.10 ± 0.55 回/日に増加した

論文から引用。ラクツロース群よりPEG4000(モビコール)群の方が便回数の増加が良好。

■ 試験開始時からの補正変化の平均に有意差が認められ、それはラクツロース群で0.15回/日、PEG4000群で0.51回/日であり、最小二乗平均差は0.36回/日(95% CI:0.16~0.56)だった 。

■ セカンダリアウトカムに関し、便の粘稠度や排便の容易さはPEG4000群でより改善した(p=0.001)。

■ 有害事象の発生率は両群で同等であり、その大部分は軽症だった。

 

結論

■ PEG4000は、幼児の慢性便秘の治療においてラクツロースより優れた効果があり、忍容性が良好である。

 

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PEG4000(モビコール)はやや高価ではあるものの、今後、小児の慢性便秘に広く使われるようになる可能性がある。

■ まだ私はモビコールの使用経験はありませんが、なかなか良好と伝え聞いています。

■ 新規薬剤がなかなか自由に使えないのはなかなか歯がゆいですが、いまのうちに勉強しておきます。

モビコール飲ませ方いろいろ
この記事をツイートしたところ、様々なご意見をいただきました。
一部を掲載いたします。りんごジュースに混ぜる
https://twitter.com/44mu/status/1128618511490633729

りんごジュースはメーカー推奨の方法ですが、苦手な方も、、
https://twitter.com/piyoritter/status/1128677946158268419

その他、以下のようなご意見をいただきました。ありがとうございます。

 

カルピスに溶かす
https://twitter.com/nyankokko62/status/1128895081631498240

 

ココアに混ぜる
https://twitter.com/nyaomyaonao/status/1128629785637179395

 

 

今日のまとめ!

 ✅ PEG4000(モビコール)は、ラクツロースより有効性が高いようだ。

 

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