以下、論文紹介と解説です。

Silverberg JI, et al. Pain is a common and burdensome symptom of atopic dermatitis in United States adults. J Allergy Clin Immunol Pract 2019.[Epub ahead of print]

米国において、アトピー性皮膚炎の成人602人に関し、アトピー性皮膚炎に関連した疼痛の頻度、強さ、特徴を検討した。

目的

■ ADによる疼痛の頻度、強さ、特徴、関連を特徴づける。

 

方法

米国の研究におけるADのある成人602人について、米国の人口に対する横断的インターネット調査に基づく研究を実施した(修正UK Working Party 基準)。

 

結果

全体として、365人(61%)がADによる疼痛を報告し、199人(33%)が少なくとも週に一度は疼痛を経験し、30人(5%)が毎日疼痛を経験した。

■ ADによる疼痛のある患者のうち、22%が7以上の最も強い疼痛強度を報告した。

■ ADによる痛みの頻度および強度は、PO-SCORAD、PO-SCORADで評価される掻痒と-睡眠、POEMと関連していた(すべてに対してP≤0.004)。

■ ADによる疼痛を経験している患者のうち、179人(48%)は頻繁に掻破した後にのみ疼痛が生じることを報告し、156人(42%)は間欠的な疼痛を報告し、27人(11%)は終日の持続的な疼痛を報告した。

ADによる疼痛は、掻破(27%)や皮膚の亀裂(27%)に起因する開放域と最もよく関連しており、続いて炎症を起こした皮膚(25%)に関連しており、クリームや軟膏からのほてりに起因する疼痛を報告したのは少数(10%)だった

■ 軽症のADは引っ掻くことによる、より多くの疼痛と関連していたが、重症のADはより持続的な疼痛や炎症皮膚からの疼痛と関連した。

 

結論

■ 疼痛は、不均一な頻度、特徴、強さ、QOLへの影響を伴うADにおける明確な症状である。

■ 疼痛は掻破、亀裂および/または炎症を来した皮膚の紅斑と関連しており、外用薬によるほてりとの関連は最も少なかった。

■ 皮膚の痛みはAD患者で評価し、治療反応をモニタリングすべきである。

 

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アトピー性皮膚炎に伴う痛みは一般的だが、多くはアトピー性皮膚炎の症状に伴っているため、治療を丁寧にする必要がある。

■ アトピー性皮膚炎による痛みは、あくまでその症状に伴う開放創や炎症そのものに伴っているようです。

■ 丁寧な治療で改善する可能性は十分にあり、「外用薬がしみる」よりも優先して治療する必要性があるかもしれません。

 

今日のまとめ!

 ✅ アトピー性皮膚炎に関連した「痛み」は一般的であり、多くは炎症に伴った開放創や炎症そのものに起因する。

 

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