以下、論文紹介と解説です。

Harel A, et al. To Treat Molluscum Contagiosum or Not—Curettage: An Effective, Well‐Accepted Treatment Modality. Pediatric dermatology 2016; 33:640-5.

小児の伝染性軟属腫2,022例におけるレトロスペクティブに調査し、軟属腫摘除の有効性を検討した。

背景/目的

伝染性軟属腫(Molluscum contagiosum ;MC)は主に小児が罹患する、一般によくあるウイルス性疾患である。

■ 無治療のMCに対する治療法としての摘除の有効性を比較することを目的とした。

 

方法

■ 2008年~2012年にMCを発症した小児2,022例のレトロスペクティブ研究を実施し、有効性、安全性、満足度を含む疫学的、臨床的、治療データを概説した。

 

結果

■ 小児のうち、50~60%は2〜5歳だった。

罹病期間は51%が1〜2年、32%が1年未満、17%が2年以上だった。

■ 小児の70%は患者自身からの受診だった。

■ 86%は以前に受診歴があり76%は軟属腫を治療しないよう忠告されていた。

軟属腫は軽症(22%)、中等症(64%)、重症(14%)だった。

■ 計1,879例が摘除を受けた。

■ そのうち、70%が1回の治療で治癒し、26%が2回の治療で治癒した。

■ 満足度は高く、子どもと親の97%だった。

 

結論

■ MCはself‐limitingな疾患であるが、積極的な治療を提供すべきである。

■ 適切な状況での摘除は非常に効果的であり、患者の満足度が高く治癒率が高い。

 

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伝染性軟属腫(水いぼ)に関し、摘除も一法。ただし、スキンケアをしながら経過観察を否定するものでもない。

■ 摘除が一つの方法といえそうですが、もちろん、スキンケアをしながら経過をみることを否定するものではありません。

■ 何度か書いてきましたが、「予後の予測を共有した上での経過観察」はひとつの「標準治療」ともいえます。

 

今日のまとめ!

 ✅ 伝染性軟属腫(水いぼ)の摘除は有効な方法といえそうだ。

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