以下、論文紹介と解説です。

Olsen JR, et al. Epidemiology of molluscum contagiosum in children: a systematic review. Family practice 2013; 31:130-6.

伝染性軟属腫に関するシステマティックレビューを実施し、特徴に関する疫学を検討した。

背景

伝染性軟属腫(Molluscum contagiosum;MC)は、主に小児に影響する一般的な皮膚疾患であり、プライマリケアにおいてよくある受診理由であり、プライマリケアやセカンダリケアにおいて他の状態を呈している小児においても一般的に見受けられる。

■ 通常は無症候性であるが、疼痛、そう痒、紅斑、細菌性の重複感染を呈することがある。

 

目的

■ MCにおける現在の疫学を統合する。

 

試験デザインとセッティング

■ 小児におけるMCの有病率、発症率、リスク因子、年齢分布、他の条件との関連に関する文献データベースのシステマティックレビュー。

 

結果

■ MCに関する疫学に関するデータは、大部分が低品質である。

発症率が最も高いのは0~14歳の小児であり、発症率は年間1000人あたり12~14エピソードである。

■ 英国における発症率は1~4歳で最も高かった。

■ メタアナリシスにより、0~16歳における点有病率は5.1%~11.5%であることが示唆された。

スイミングとMCの関連を示すエビデンスがあり、MCは湿疹のある患者でより一般的だった。

■ しかし、他のリスク因子に関するエビデンスはほとんどない。

 

結論

■ MCは一般的な病態であり、発症率が最も高いのは1~4歳である。

スイミングと湿疹は、MCと関連するが因果関係は不明である。

■ MCの自然歴に関するデータは不足しており、公表されたデータは、発症率、リスク因子、症状の持続期間、家族間の伝播における時間的もしくは地理的パターンを決定するには不十分である。

 

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伝染性軟属腫の報告は少ないものの、スイミングや湿疹との関連が示された。ただし、因果関係は不明である。

■ スイミングに関しては、小児皮膚科学会のHPには以下のように記載されています。

伝染性軟属腫(みずいぼ)
プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。

■ 「水を介してはうつらないので参加は可能」は正しいと思われますし、参加は可能と思います。

■ 一方でアトピー性皮膚炎は増悪リスクになりますので、十分治療を行ったほうがよいと考えられます。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ 伝染性軟属腫は、年間1000人あたり12~14エピソード発症しており、スイミング・湿疹には関連が認められる。ただし因果関係はあきらかではない。

 

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