以下、論文紹介と解説です。

Khatri S, et al. Assessment of the long-term safety of mepolizumab and durability of clinical response in patients with severe eosinophilic asthma. J Allergy Clin Immunol 2019; 143:1742-51.e7.

メポリズマブの有効性を検討したDREAM試験に参加した全347人を、さらに延長し平均3.5年観察し有効性・安全性を検討した。

背景

■ メポリズマブは、12ヵ月以下のプラセボ対照試験で良好な安全性と有効性プロファイルを示しているが、長期のデータは不足している。

 

目的

重症好酸球性喘息(severe eosinophilic asthma; SEA)患者におけるメポリズマブの長期安全性と有効性を評価する。

 

方法

■ COLUMBA(NCT01691859)は、以前にDREAM試験(NCT01000506)に登録されたSEA患者におけるオープンラベル拡張試験である。

■ プロトコルで定義された中止基準を満たすまで、参加者は4週間ごとにメポリズマブ100mg皮下投与+標準治療を受けた。

■ 安全性のエンドポイントは、有害事象(adverse event; AE)の頻度、重篤な有害事象(serious AE; SAE)、特に関心のある有害事象を含んだ。

■ 有効性のエンドポイントは年間増悪率、Asthma Control Questionnaire-5 (ACQ-5)スコアの試験開始からの変化、血中好酸球数だった。

■ さらに免疫原性も評価した。

 

結果

全347人が平均3.5年(最大:4.5年; 全曝露:1201患者年)で登録された。

■ 治療中のAEは患者の94%で報告された(exposure-adjusted rate [曝露調整率] 3688イベント/ 1000患者年)。

■ 最も頻繁に報告された治療に関するAEは、気道感染、頭痛、気管支炎、喘息増悪だった。

治療中の1つ以上SAEを経験した患者は79%(23%)、6人の死亡であり、いずれもメポリズマブに関連するとは評価されなかった

登録期間が156週間以上の患者では、増悪率は0.74イベント/年(0~156週)であり、DREAMとCOLUMBA試験では非治療期間から56%減少した。

■ すべての患者における最初の試験開始後の評価では、平均ACQ-5スコアは0.47ポイント低下し、血液好酸球数は78%低下し、研究を通して同様の改善が維持された。

■ 免疫原性プロファイル(抗薬物抗体8%)は以前の研究と一致していた。

 

結論

■ これらのデータは、SEAのある患者におけるメポリズマブの長期間の安全性と有効性を裏付けている。

 

臨床的意義

■ 重篤な好酸球性喘息患者の長期使用後、メポリズマブは臨床的有効性を維持し、中和抗体の誘導の証拠はなく、良好な安全性プロフィールを示し続けていた。

 

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オマリズマブ・メポリズマブなど、徐々に小児でも使用できるようになる生物学的製剤が増えてきていますが、今後、その効果・安全性の検討が進むでしょう。

■ この検討はあくまで、重症の成人喘息に対する報告です。

■ 小児に使用できるようになってきたとはいえ、基本的には12歳以降の適応ですので、まだまだ小児期に使用できるようになったとは言えないですが、今後小児でも使用できる生物学的製剤は増えていくでしょう。

■ その安全性、特性に関しては今のうちに情報を集めていきたいと思います。

 

 

今日のまとめ!

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