以下、論文紹介と解説です。

Irifune K, et al. Antitussive effect of bakumondoto a fixed kampo medicine (six herbal components) for treatment of post-infectious prolonged cough: controlled clinical pilot study with 19 patients. Phytomedicine 2011; 18:630-3.

感染後遷延性咳嗽19人に対し、麦門冬湯群と非投与群で2週間の咳の改善度を比較した。

背景

■ 麦門冬湯(TJ-29)は,気管支炎、気管支喘息、咳の治療に対し日本で使用されている伝統的な漢方薬である。

■ そこで、TJ-29の感染後遷延性咳嗽に対する効果を検討した。

 

方法

基本薬剤としてβ2刺激薬を使用している、TJ-29非投与群(A群; 11人)とTJ-29投与群(B群; n=8)計2週間介入する多施設ランダム化比較試験を実施した。

■ 有効性と安全性を、咳日誌、VAS、睡眠アンケートで比較した。

 

結果

治療4日後と5日後に、B群の咳スコアはA群と比較して有意な改善を示し、早期の鎮咳効果を示した。

■ 治療開始2週間後の評価では、両群の咳スコアは同等の改善を示した。

■ VASと睡眠アンケート項目に有意差は認められなかった。

 

結論

■ TJ-29の経口投与は、感染後の遷延性咳嗽の治療に有用かつ安全であると考えられた。

 

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麦門冬湯は、日常診療でも使いやすい漢方薬ですが、、

■ ランダム化比較試験ですが19人という少人数なので、なかなか結論とするのは難しいかもしれません。

■ とはいえ、麦門冬湯は味もそれほど悪くありませんし、個人的には日常診療には良く使用します。

■ どちらかというと、乾性咳嗽が長引くときには良く効く印象を持っています。

 

今日のまとめ!

 ✅ 麦門冬湯は、感染後遷延性咳嗽を早期に治める効果があるようだ。

 

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