以下、論文紹介と解説です。

Vakharia PP, et al. Efficacy and Safety of Topical Cantharidin Treatment for Molluscum Contagiosum and Warts: A Systematic Review. Am J Clin Dermatol 2018; 19:791-803.

伝染性軟属腫もしくは疣贅に対するカンタリジン外用治療を評価する研究15件(1752人; 0.3~62歳)における、システマティックレビューを実施した。

背景と目的

■ カンタリジン外用は、伝染性軟属腫および疣贅の治療にルーチンに使用される。

■ このシステマティックレビューの目的は、伝染性軟属腫と疣贅に対するカンタリジン外用治療の有効性と安全性を評価することである。

 

方法

■ 伝染性軟属腫もしくは疣贅のカンタリジン外用治療を評価する研究に関し、システマティックレビューを実施した。

■ Cochrane、EMBASE、GREAT、LILACS、MEDLINE、Scopusデータベースを検索した。

■ 著者2人が、研究の選択とデータ抽出を実施した。

 

結果

■ 研究20件(1958~2018年)が、採用/除外基準に合致した。

■ 疣贅を評価した研究は12件、伝染性軟属腫を評価した研究は8件だった。

全体で、患者1752人が含まれた(範囲 0.3~62歳; 研究15件)

■ 伝染性軟属腫に対するカンタリジン外用による軽快率は様々だった(範囲 15.4~100%)。

■ カンタリジンの外用投与のみで、疣贅の改善維持に対する有意な改善が認められた。

ポドフィロトキシン+サリチル酸と併用したカンタリジン外用は、足底の疣贅(小児・成人; 軽快率81~100%; 軽快率100%であった試験4件)に有効であり、単回投与後に大部分が軽快した

■ カンタリジン療法の満足度は高く、特に伝染性軟属腫で高かった。

疼痛(7~85.7%)、水疱形成(10~100%)、過剰な色素沈着/もしくは色素脱出 (1.8~53.3%)が、カンタリジン治療で最も一般的に生じる副作用だった。

 

結論

■ カンタリジン外用は、特にポドフィロチキシン+サリチル酸との併用により疣贅の軽快を示し、小児の伝染性軟属腫に対しては良好な忍容性と安全性に対しわずかな有益性が示された。

 

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カンタリジンを導入したいかどうかを考えるならば、、、

■ 伝染性軟属腫(水いぼ)の治療として、摘除・カンタリジン・サリチル酸・イミモキドによるランダム化比較試験では、私はカンタリジンは比較的繰り返しの治療が多い結果になる印象を持っています。

■ その点と疼痛や水疱形成なども考慮すると摘除にかわるものになりうるのかな、、という感じがします。

■ 使用経験がないぶん心理的な障壁があるのかもしれませんが、導入には慎重になってもいいのかなと考えています。

 

今日のまとめ!

 ✅ 伝染性軟属腫や疣贅に対するカンタリジンの有用性のシステマティックレビューを紹介したが、性急な使用は待ったほうがよい印象だった。

 

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