以下、論文紹介と解説です。
Burdall O, Willgress L, Goad N. Neonatal skin care: Developments in care to maintain neonatal barrier function and prevention of diaper dermatitis. Pediatr Dermatol.
2019; 36:31-5.
おむつ皮膚炎を予防するための新生児のケアに関する110の研究のシステマティックレビューを実施した。
背景
■ 早産および満期産の新生児の皮膚のバリア機能の重要性を理解することは、効果的な新生児の皮膚やおむつケアにおいて極めて重要である。
■ この文献検索は、皮膚バリア機能を維持し、おむつ皮膚炎を予防するための新生児に対するケアにおける様々な診療の発展をレビューすることを目的とした。
方法
■ 過去5年間に発表された研究の最初の文献検索は、キーワード、同義語、ブーリアン語法を使用しNational Institute of Clinical Excellence Health Databases Advanced Searchの使用して、Cinahl、Medline、Embase、British Nursing Index、DelphiSにより行われ、続いて1990年から2017年までの出版物に対する2回目の検索が行われた。
■ タイトルと抄録は関連性について検討された。
結果
■ 110の研究が、このレビューのために分析された。
■ ただし、データの品質は多様だった。
■ おむつ域の洗浄方法、おむつの種類の選択、肌荒れ防止クリームの使用に関する最善のプラクティスのオプションに関する先行文献から手引きを導き出した。
■ おむつを装着していない時間の有益性やその他の点についてはさらなる研究が必要である。
結論
■ 高吸収性のおむつは肌の水分量を減らし、おむつ皮膚炎を減らす。
■ 肌荒れ防止クリームは予防と治療の両方に利益をもたらすが、頻繁なおむつ交換の代わりにはならない。
■ 文献は、ある洗浄方法が他の洗浄方法よりも優れていることを示していないが、おしり拭き用品を使用しても水も使用してもおむつ皮膚炎の罹患率は増加しない。
■ 実用性を十分に考慮し、特に集中治療環境内の脆弱な新生児に対し、おむつを装着していない時間の潜在的利点を検討するために,さらなる研究が必要である。
スポンサーリンク(記事は下に続きます)
おむつ皮膚炎の予防に関し、「おむつの頻回交換」が皮膚のバリア保護を目的とした外用剤の効果を上回る。
■ おむつの性能があがり、以前に比較しておむつ皮膚炎が少なくなったとは思いますが、やはり頻回の交換は重要でしょう。
■ ただ、おむつ皮膚炎がひどくなってしまった場合は、おむつ頻回交換&クリームの「どちらも」必要でしょう。
■ 一度ひどいおむつ皮膚炎になってしまうと、回復に時間がかかってしまうので、はやめの対処をしていきたいものです。
■ なお、「予防」に関しては、市販のおしり拭きも水も、おむつ皮膚炎予防に差は無いという結果は以前ご紹介しましたね。
今日のまとめ!
✅ おむつ皮膚炎の予防に関し、「おむつの頻回交換」が皮膚のバリア保護を目的とした外用剤の効果を上回る。