以下、論文紹介と解説です。

Turner MA, Devlin J, David TJ. Holidays and atopic eczema. Arch Dis Child 1991; 66:212-5.

重症アトピー性皮膚炎の小児126名の休暇300回に関し、休暇場所でアトピー性皮膚炎の悪化率が違うかを検討した。

重症アトピー性皮膚炎の小児126名が、過去三年間に行った休暇300回について電話で情報収集した

■ 休日中、湿疹の改善は休暇300回中112回(37%)、悪化は300回中63回で生じた。

■ アトピー性皮膚炎の改善と南方での休暇場所には有意な相関があった。

地中海もしくは南方での休暇92回中63回(69%)では改善が一般的だったが、英国北部における休暇では改善(100回中13回[13%])よりも悪化(100回中27回[27%])と関連する可能性が高かった。

■ 湿疹の変化は、両方の状態の子どもの休暇231回の喘息の変化と相関したが、改善はペットの所有と有意に関連しなかった。

■ 全ての患者は、帰宅後おおむね2週間以内に休暇前の状態に戻った。

■ 休暇中の湿疹の変化の原因は特定されていない。

 

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「南のほうがよい」という結果だったが、理由ははっきりしていない。

■ 電話調査の横断研究ですので、エビデンスレベルとして高くはありません。

■ また、「南のほうがよい」という理由は、可能性としては紫外線が良い効果を示した可能性がありますがはっきりしていません。

■ 論文中でも、「休暇中の改善の可能性のある説明としてアトピー性皮膚炎に対する紫外線のよい効果が挙げられるが、緯度は紫外線への暴露の大まかな尺度に過ぎない」と記載されています。

■ 気候パターン、ダニなどの環境要因、心理的な面など、色々考察はされていますが、結論はでていませんでした。

 

今日のまとめ!

 ✅ 英国でのアトピー性皮膚炎の児は、北方より南方での休暇のほうが悪化が少ないようだ。

 

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