以下、論文紹介と解説です。
Yagami A, et al. Curry spice allergy associated with pollen‐food allergy syndrome and latex fruit‐syndrome. The Journal of dermatology 2009; 36(1): 45-9.
カレーライスを摂取後にじん麻疹、呼吸困難、気管支ぜん息様発作を呈した22歳女性の原因抗原を検討した。
■ カレーライスを摂取後にじん麻疹、呼吸困難、気管支ぜん息様発作を呈した22歳女性について報告する。
■ 詳細な問診、皮膚テスト、特異的免疫グロブリン(Ig)E抗体の測定により、カレースパイスに含まれるスパイス抗原に起因する即時型アレルギーによる症状であることを見出した。
■ 本症例はメロンによる花粉‐食物アレルギー症候群(pollen‐food allergy syndrome ; PFAS)と天然ゴムラテックス(natural rubber latex; NRL)抗原に対するラテックスアレルギー(latex allergy; LA)を合併し、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症も有していた。
■ シラカバにおけるプロフィリン(Bet v 2)、ラテックスにおけるプロフィリン(Hev b 8)、チモシーにおけるプロフィリン(Phl p12)に対する血清特異的IgE抗体が検出された。
■ また、皮膚プリックテストでいくつかのセリ科、果実、ラテックス抗原に陽性反応を示した。
■ これらの所見に基づき、患者の症状はスパイスアレルギー、PFAS、ラテックス‐フルーツ症候群に関与していると考えた。
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セロリ-シラカバ-ニンジン-ヨモギ-スパイス症候群といわれる病態が注目されてくるかもしれません。
■ このスパイスと花粉の交差による病態は小児ではまだ報告が少ないですが、最近日本小児アレルギー学会雑誌に14歳の女児の報告があります(日小ア誌 2019: 33: 117-122)。
■ 花粉に対する感作が多くなってきている現状では、気をつけていかなければならないかもしれません。
今日のまとめ!
✅ シラカバやヨモギ花粉などからのスパイスアレルギーの報告をご紹介した。