以下、論文紹介と解説です。

Feser A, et al. Periorbital dermatitis--a recalcitrant disease: causes and differential diagnoses. Br J Dermatol 2008; 159:858-63.

2集団(Erlangen大学病院皮膚科 88人と/ドイツ皮膚科情報ネットワーク [IVDK] 2035人)における眼窩周囲皮膚炎の原因・感作性物質を検討した。

背景

■ 眼窩周囲皮膚炎はよくみられ、しばしば治療に抵抗性である。

■ 露出し、そして目に見える部位に起因して、患者はしばしば重症の眼窩周囲皮膚炎に罹患する。

 

目的

■ 接触感作物質を含む眼窩周囲皮膚炎の頻度と原因を明らかにする。

 

方法

■ 1999年から2004年に、患者の二つのコホート(Erlangen大学およびErlangen大学を含まないIVDK)を調査した。

 

結果

■ 眼窩周囲皮膚炎の2つのコホート(Erlangen大学病院皮膚科 88人と、ドイツ皮膚科情報ネットワーク [German Information Network of Departments of Dermatology; IVDK]2035人)の差を、MOAHLFA 指標(男性[male]、職業性皮膚疾患[ occupational dermatosis]、アトピー性皮膚炎[ atopic eczema]、手湿疹[ hand dermatitis]、脚湿疹[ leg dermatitis ]、顔の皮膚炎[facial dermatitis ]、年齢40歳以上[ age > or = 40 years])より決定した。

眼周囲湿疹の統計的に有意な因子は、女性、アトピー性皮膚炎の素因、40歳以上だった。

■ 両方のコホートにおいて、アレルギー性接触皮膚炎が眼窩周囲湿疹の主な原因であり(Erlangen 44.3%、IVDK 31.6%)、続いて眼窩周囲のアトピー性皮膚炎(Erlangen 25%,IVDK 14.1%)、環境中刺激物質に対する皮膚炎(Erlangen 10.2%、IVDK 1.9%)、刺激性の接触皮膚炎(Erlangen 9.1%、IVDK 7.6%)、眼窩周囲酒さ(Erlangen 4.5%、IVDK 2.2%)、アレルギー性結膜炎(Erlangen 2.3%、IVDKは「その他」 に含まれる)、乾癬(Erlangen 2.3%、IVDKは「その他」 に含まれる)だった。

■ 眼窩周囲皮膚炎を誘発する最も関連のあるアレルゲン/アレルゲンの元は、市販製品(フェイシャルクリーム、アイシャドウ、眼科治療薬)(31%)、フレグランス混合物(19%)、ペルーバルサム(10%)、チメロサール(10%)、硫酸ネオマイシン(8%)だった。

■ アレルギー性の眼周囲皮膚炎患者の12.5%は、患者自身の製品を試験することによってのみ明らかにできた。

 

結論

■ このデータは眼窩周囲皮膚炎の発症原因の多様性を示しており、関連する接触感作を明らかにするためには、標準的そして市販製品のパッチテストを必要とする。

 

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アトピー性皮膚炎や結膜炎による刺激以外に、「かぶれている」ことも考慮する必要性があります。

■ 成人では、アイシャドウや化粧品が多くなりますが、小児科でも比較的多いのは、例えば「ネオメドロールEE眼軟膏」などに含まれるフラジオマイシンという抗菌薬であったり、点眼薬に対する接触性皮膚炎があります。

■ 眼軟膏だから安全とはいえませんので、留意する必要性はあるでしょう。

 

今日のまとめ!

 ✅ 目の周囲の湿疹の原因や感作性物質の報告をご紹介した。

 

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