以下、論文紹介と解説です。

Shobugawa Y, et al. Occurrence of human respiratory syncytial virus in summer in Japan. Epidemiology & Infection 2017; 145:272-84.

RSウイルスの全国調査データと、2007年~2014年の夏の全国気象データから、気象条件とRSウイルスの流行条件を検討した。

背景

■ 温帯では、典型的には、寒冷な気候すなわち晩秋から冬にヒト呼吸器合胞体ウイルス(human respiratory syncytial virus; HRSV)の発症が流行する。

■ しかし、最近の日本での発症は、夏と秋に始まる傾向がある。

■ 本研究では、日本の夏に報告されたHRSV症例数と気象条件との関連を検討した。

 

方法

■ HRSV全国調査システムからのデータと、2007年から2014年の夏の全国気象データを使用して、二項ロジスティック回帰分析により気象条件とHRSVの報告事例との関連を特定した。

 

結果

■ 夏の気温が上昇し相対湿度が増加すると、HRSVの症例が増加した。

■ 温度×相対湿度の相互作用を考慮することにより、高い気温とHRSVの発症との相乗効果が示された。

■ 特に、気温が≧28.2℃の場合、相対湿度が増加すると、HRSV症例は相乗的に増加した。

論文から引用。平均気温26度以上かつ、平均気温70%以上でRSウイルス感染症の報告数が多くなっている。

■ 11の気候区分に分割したHRSV全国サーベイランスデータを使用した季節傾向分析により、夏のHRSVは、南日本である沖縄、南西日本に位置する九州や南海気候区分で発症したことが示された。

 

結論

日本の夏のHRSV発症には、より高い気温とより高い相対湿度が必要な条件だった。

■ 温帯で活動する小児科医は、適切な条件が存在した場合の夏季にHRSVが発症する可能性があることに注意する必要がある。

 

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RSウイルス感染症が夏季に流行する理由は十分判明はしていないが、温暖化の影響も一因と考えられる。

■ もともとRSウイルスは、沖縄では2~9月に流行し、熱帯や亜熱帯では1年を通して流行することがわかっています。

■ RSウイルス感染が夏季に移動してきた理由を、最近の温暖化の影響で日本が亜熱帯になってきている可能性が指摘できるでしょう。

 

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今日のまとめ!

 ✅ 夏季のRSウイルス感染症の流行には、高い気温と湿度が必要なようだ。

 

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