以下、論文紹介と解説です。

Osio A, et al. Clinical characteristics of molluscum contagiosum in children in a private dermatology practice in the greater Paris area, France: a prospective study in 661 patients. Dermatology 2011; 222:314-20.

伝染性軟属腫のある15歳未満の患者650人を前向きに検討し、その特徴を確認した。

背景

伝染性軟属腫(molluscum contagiosum; MC)の臨床的特徴に関するシリーズ研究は、レトロスペクティブであり、病院のセッティングでみられる限定された小規模な集団に関するものである。

 

方法

■ パリの地域における民間皮膚科診療所25施設で1年間に診療されたMCのある15歳未満の患者を前向きに検討した。

 

結果

650人の患者が含まれた。

■ 平均年齢は6歳だった。

■ 患者のうち、30.5%は過去にMCがあり、53%は5~20個のMCがあり、43%はアトピー性皮膚炎(AD)の病歴があり、5%はステロイド外用薬を使用していた。

25.5%はADを併発しており、13%は巨大な5mm以上のMCがあり、21%は炎症性のMCがあり、19%は湿疹に取り囲まれたMCがあった。

兄弟姉妹との入浴は、より多くのMCと関係した。

ADの病歴は、湿疹に囲まれたMCの存在と関係した。

■ ステロイド外用薬の使用は再燃リスクの増加と関連していた。

環境因子(周囲のMC、プール、スポーツの練習)と病変数、環境因子と再発回数に関連はなかった

 

結論

■ 非定型病変の頻度が多い。

■ 兄弟姉妹との入浴は、より多くのMCと関連し、ステロイド外用薬の使用は再発のリスクを増加させる。

■ ADの有病率は一般集団よりも高い。

 

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本当にステロイド外用薬は再燃リスクに関連するか?

■ ステロイド外用薬の使用と軟属腫の関連に関しては、本当にステロイド外用薬によるものかどうかの判断は難しいように思います。

■ ステロイド外用薬を使用しないといけないような湿疹がある場合に、軟属腫が再燃しやすくなる可能性があるからです。

■ もちろん、軟属腫に対するステロイド外用薬を強く推奨するわけではないですが、湿疹の治療を優先したほうがよりよいと考えています。

 

今日のまとめ!

 ✅ 伝染性軟属腫に関し、兄弟姉妹との入浴は軟属腫の数を増やしステロイド外用薬の使用は再発のリスクを増加させるかもしれない(交絡因子の可能性は捨てきれない)。

 

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