以下、論文紹介と解説です。

Sze E, et al. Mechanisms and therapeutic strategies for non-T2 asthma. Allergy; 2019. [Epub ahead of print]

非Th2喘息の特徴と対策に関するレビュー。

■ 非Th2喘息は、伝統的にTh2喘息の特徴のない喘息と定義されている。

定義は恣意的であり、一般に、喀痰中の好中球の存在または喀痰、気道生検、血液中の好酸球や他のTh2マーカーの欠如(または正常値)に基づいている

■ トランスクリプトミクスやプロテオミクスを血液や気道サンプルに適用することで、より多くの情報が得られるようになると、この定義は不正確になるかもしれない。

■ 非Th2喘息の有病率の推定も困難であるが、これはほとんどの研究が横断的に行われており、ステロイドの併用治療や、認識されている/認識されていない気道感染の存在によって影響を受けるためである。

非Th2炎症プロセスによる喘息患者において、臨床的な有益性を示す特異的な治療法はない

管理人注
本文には、
禁煙・低脂肪食・肥満の改善、
気道のサーモプラスティ(熱形成術)
ステロイド使用量の減量、抗コリン薬を含めた気管支拡張薬、
感染症対策(ガンマグロブリンも?)、マクロライド
などが挙げられていました。

■ そのようなエンドタイプが本当に存在するのかどうか、およびそのエンドタイプをターゲットとする治療法が特定できるのかどうかは、依然として不明である。

■ 一方、気道感染の指標としての気道好中球増加と、平滑筋機能不全の指標としての気道過敏性を同定し、適切に治療し、明らかなTh2炎症がない患者ではステロイドを増やさないことは理にかなっているように思われる。

 

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非Th2(非アレルギー)性喘息に対する対応は、まだ良くわかっていない。

■ 小児ではサーモプラスティはまずできませんし、抗コリン薬も保険適応ではありません。

※抗コリン薬は、海外ではすでに有用性の報告があります。

■ マクロライド系抗菌薬も、喘息には適応とはいえないでしょう。

■ 本文中にはロイコトリエン拮抗薬やテオフィリンも記載がありますが、エビデンスという面では弱く、どうするべきかは個々に考えていかざるを得ないようです。

 

今日のまとめ!

 ✅ 非Th2(非アレルギー性)喘息に対する対応は、十分にわかっているとはいえず、個別の対応を考えざるを得ないようだ。

 

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