以下、論文紹介と解説です。

Kwon D, et al. Development and evaluation of a rapid influenza diagnostic test for the pandemic (H1N1) 2009 influenza virus. Journal of clinical microbiology 2011; 49:437-8.

2009年の新型インフルエンザの流行期に、インフルエンザを疑われた患者からの432検体に対し新規のインフルエンザ迅速検査キットの性能を評価した。

■ リアルタイム逆転写PCR(rRT-PCR)とウイルス培養を用いて、インフルエンザウイルス H1N1型2009pdmに対する新しい迅速インフルエンザ診断試験を評価した。

■ 感度はそれぞれ68.5%と64.5%、特異度はそれぞれ98.4%と97.6%だった。

■ このキットは慎重に使用し、陰性結果は確認すべきである。

 

論文より引用。症状の発現と検体採取日の記録がある340人の RIDT=rapid influenza diagnostic tests(インフルエンザ迅速検査キット)の精度。

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インフルエンザ迅速検査は2日目がもっとも精度が高い。

■ 検査キットによる差がある可能性はありますし、年齢によっても異なる様です。

■ たとえば、1~3歳だと24時間以内でもA型であれば、感度・特異度もまずまずという検討結果もあります(Heinonen S, et al. European journal of clinical microbiology & infectious diseases 2011; 30:387-92.)。ただし、感度が高かったのはA型のみで、B型は全然だったようです。

 

■ 余談ですが、もちろん、急いで夜間救急で検査をすることを推奨するものではありません。

■ 小児二次救急を担う病院は、この20年で3割以上減少しました。この表記のなかの多くの病院も『夜間救急』を閉じてきています。おそらく、お子さん達が親御さんになる頃には、小児救急や入院する場所はもっともっと減っていることが予想されます。

小児医療に関するデータ(厚労省)より

『これはおかしいぞ』というときに、『翌朝まで経過をみることができるか』を判断していただくための救急受診はもちろん重要ですし、推奨します(インフルエンザに関係なく!)。『インフルエンザ迅速検査をするために』受診を決めるのではなく、『救急受診をするかどうかの状況かどうか』で受診いただければ嬉しいです。ですので、あえて夜間救急時に迅速検査を実施しない医師もいらっしゃるかと思うのですが、ご容赦くださいませ、、。

 

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今日のまとめ!

 ✅ この検討のインフルエンザ迅速キットは、症状出現後2日目での検査がもっとも精度が高かった。

 

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