以下、論文紹介と解説です。

Miyoshi T, et al. Can air purifier promote the indoor cleanliness and improve the patients with asthma? : Eur Respiratory Soc, 2018.

ダニ特異的血清IgE抗体に感作されている喘息患者50人を空気清浄機群と非使用群にランダム化し、空気中の抗原量と喘息パラメータを比較した。

背景

■ 乳児喘息に関する先行研究では、空気清浄機を用いて室内の空気を清浄化することにより喘息症状は改善したと報告している。

■ しかし日本では、成人喘息患者が空気清浄機の使用により改善したことを示す論文はほとんどない。

 

目的

■ 空気清浄機が室内環境と喘息患者を改善するかどうかを明らかにすることを目的とした。

 

方法

チリダニ特異的血清IgE抗体に感作されている喘息患者50人を登録し、無作為に介入群 30人と対照群 20人に分けた。

■ 介入群は寝室に空気清浄機を使用した。

■ 空気清浄機使用前後の室内空気質を評価するため、ハウスダスト中のダニ抗原、真菌、径2.5μm以下の微粒子(PM 2.5)の量を測定した。

喘息の状態は肺機能検査、FOT(forced oscillation)、FeNOにより客観的に評価した。

■ 喘息コントロールの臨床的評価は、ACTスコアや治療ステップにより評価した。

 

結果

介入による有意差が、寝室におけるPM2.5量とFeNOに認められた

■ 介入群におけるパラメータにはより良い結果を示した項目もあったが、対照群との差は有意ではなかった。

 

結論

■ 空気清浄機による室内の空気清浄化は、喘息患者に対する有望な治療選択肢であり、その役割を明らかにするためには更なる研究が必要である。

 

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空気清浄機が喘息によいかどうか、十分なデータは少ないようだ。

■ 空気清浄機に関しては、推奨している場合は少なくありませんが、実際に有効性を示したランダム化比較試験が少ないのが現状です。

■ この研究結果から、『導入してよいが、過大な期待はしないほうがよさそう』という結果と言えそうです。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ 空気清浄機により気道炎症の指標である呼気一酸化窒素に有意な改善があるようだが、それ以外の指標には有意差はなく過大な期待はできないようだ。

 

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