クループ症候群とは、風邪の時にのどの一部が細くなっておこる疾患です。
■ クループ症候群は、主に低年齢でおこる疾患です。
■ もともと年齢がひくいと、気道の構造が成人と異なったり、そもそも細いことから風邪を引いたときに気道が細くなった影響を受けやすいのです。
■ そのクループに対する治療はアドレナリンの吸入やステロイドの内服であり、海外の教科書ではしばしば、デキサメサゾン0.6mg/kgが提示されています。
■ しかし、現実的にはデキサメサゾンをシロップで飲むとなると、体重10kgのお子さんで60mlというとてつもない量になってしまいます(デキサメサゾンの錠剤を粉砕して単シロップに混ぜる場合もあります)。
■ 先行研究でも0.15mg/kgと0.6mg/kgで有意差がないという報告があり(Emerg Med Australas 2007; 19: 51-8)があり、本邦では0.15mg/kgが推奨されています(小児呼吸器感染症ガイドライン2017)。
■ ただ、その先行研究は規模が小さく、『非劣性』を示すには心許なかったと言えます。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
生後6ヶ月以上のクループ症候群で受診した1252人を、デキサメタゾン0.6 mg/kg群 410人、低用量デキサメタゾン0.15 mg/kg群 410人、プレドニゾロン1mg/kg群 411人にランダムに割り付け、1時間後のクループ症状スコアと再診率を調査したところ、
✅ 1時間後のクループスコアは、デキサメタゾン群0.6mg/kg群、デキサメタゾン群0.15mg/kg群、プレドニゾロン1mg/kgに有意差は無かった。
✅ 1週間以内の再診率はデキサメタゾン群 17.8%、低用量デキサメタゾン群 19.5%、プレドニゾロン群 21.7%で有意差はなかった。
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