以下、論文紹介と解説です。
Yosipovitch G, et al. Time-dependent variations of the skin barrier function in humans: transepidermal water loss, stratum corneum hydration, skin surface pH, and skin temperature. J Invest Dermatol 1998; 110:20-3.
健常者16名(23~53歳の男性9人、女性7人)の経皮水分蒸散量、角質層水分量、皮膚pH、皮膚温を測定し、概日リズムがあるかを検討した。
■ 概日リズムは多くのヒト機能について記述されているが、皮膚生理機能に関連する概日リズムに関するデータはほとんどない。
■ そこでこの研究では、ヒトにおける皮膚バリア機能に関連する皮膚変数の概日リズム性を検討した。
■ 健常者16名(23~53歳の男性9人、女性7人)の経皮水分蒸散量、角質層水分量、皮膚pH、皮膚温を測定した。
■ 被験者は24時間にわたり2時間毎に二つのセッションでサンプリングされた。
■ そして前額、前腕、背上部、すねの各変数について12検体が得られた。
■ コサイナー解析とANOVAを用いて観察された差異を検証した。
■ 時間依存性リズムは角質水分量を除くほとんどの皮膚変数で検出された。
■ 前腕・前額部・下腿の経皮水分蒸散量・皮膚pH・皮膚温において、コサイナー解析によって特徴付けられる統計的に有意な概日リズム性を見い出した。
前腕(FR)と前額部(FH)の経皮水分蒸散量(TEWL)概日リズム。
前腕(FR)、額(FH)、下腿(SH)の皮膚温の概日リズム。
■ ピークとトラフ差は全ての場所で生じた。
■ 異なる部位で測定した同じ変数の値は正の相関を示したが、さまざまな変数はそうではなかった。
■ これらの結果は、皮膚透過性が朝よりも夕方と夜間に高いことを示唆する。
■ これらのデータは、皮膚生理機能や外用薬の使用に適用される側面において臨床的な関連がある可能性がある。
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夜間にかゆくなる理由のひとつに、概日リズムがあるかもしれない。
■ 夜間にかゆくなる理由のひとつとして、皮膚温の上昇や皮膚のバリア機能低下がある可能性がありますね。
■ ですので、スキンケアを就寝前にしっかりするなどが重要になるかもしれません。
今日のまとめ!
✅ 皮膚のバリア機能や皮膚温には、1日の概日リズムがある。