以下、論文紹介と解説です。

Kim EH, et al. Long-term sublingual immunotherapy for peanut allergy in children: Clinical and immunologic evidence of desensitization. J Allergy Clin Immunol 2019. [Epub ahead of print]

1〜11歳のピーナッツアレルギー児に対し、ピーナッツタンパク質2 mg/日のSLITを3~5年間実施し、脱感作とSUを評価した。

背景

■ 1年間のピーナッツ舌下免疫療法(sublingual immunotherapy; SLIT)は、アレルギーのある小児に中程度の臨床的脱感作を誘導することが示されている。

■ そして、経口免疫療法、経皮免疫療法、SLITにおける研究では、長期治療による付加的な利点があることが示されている。

 

目的

■ ピーナッツアレルギーの小児の安全性、臨床効果、長期SLITの免疫学的変化を調査した。

 

方法

1〜11歳のピーナッツアレルギー児は、2 mg / 日のピーナッツタンパク質を使用した最長5年間の長期維持SLITを受けた。

研究のフローチャート。

■ ピーナッツ皮膚テストの膨疹5 mm未満、ピーナッツ特異的IgE抗体価15 kU / L未満である参加者は、治療を早期に中止することが可能だった。

■ 脱感作は、SLIT投与の完了後、最大5000 mgのピーナッツタンパク質を使用した二重盲検プラセボ対照食物負荷試験(double-blind, placebo-controlled food challenge; DBPCFC)によって評価された。

■ ピーナッツへ摂取中止2〜4週間後に、同じDBPCFCを実施し、Sustained unresponsiveness(SU)を評価した。

 

結果

48人中37人が、3〜5年間のピーナッツSLITを完了し、67%(48人中32人)がDBPCFCで750 mg以上の摂取をクリアした。

■ さらに、25%(48人中12人)が症状なく5000 mgのDBPCFCにパスし、この12人中10人は、2週間~4週間の摂取中止後のSUを示した。

■ 副作用は4.8%で報告され、一過性の喉のかゆみが最も一般的だった。

■ 抗ヒスタミン治療を必要とする副作用はまれ(0.21%)であり、エピネフリン投与はなかった

■ ピーナッツの皮膚試験膨疹径、ピーナッツ特異的抗体価、好塩基球活性化は有意に低下し、ピーナッツ特異的IgG4抗体価はピーナッツSLIT後に有意に増加した。

IgEや皮膚プリックテスト、IgG4の経過。改善傾向を示している。

 

結論

■ 期間を延長したピーナッツSLITは、ピーナッツアレルギーの小児の大部分において、治療の容易さと安全性プロファイルのバランスが取れた、臨床的に意味のある脱感作をもたらした。

 

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舌下免疫療法は、長期間実施するほうが有効性が高くなる。

■ 初期はランダム化比較試験ですが、それ以降は全員に介入していますので、前後比較試験になってしまいます。

■ しかし経口免疫療法も、長期間続けたほうが有効性が高くなりますし、共通した特徴と言えるでしょう。

 

今日のまとめ!

 ✅ 食物舌下免疫療法は、長期間実施したほうが有効性が高くなるようだ。

 

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