以下、論文紹介と解説です。

Blom WM, et al. Accidental food allergy reactions: Products and undeclared ingredients. Journal of Allergy and Clinical Immunology 2018; 142:865-75.

食物アレルギーのある成人157人を1年間調査し、偶発的な誤食の際の食品に含まれるアレルゲン量を検討した。

背景

■ 食物に対する偶発的なアレルギー反応は頻繁に起こり、重篤になり致死的なこともあり得る。

 

目的

■ 偶発的な反応における原因となる食品やアレルゲン量を分析することを試みた。

 

方法

食物アレルギーと診断された成人157人を対象に前向きコホート研究を実施した。

■ 1年間の追跡期間中に73人が偶発的なアレルギー反応と原因食品を報告した。

■ 摂取された食品サンプル51例を広範囲にわたり、含有されていないはずだが疑わしいアレルゲンについて分析し、リスクを定量化した。

 

結果

■ 非常に様々な食品が予期せぬアレルギー反応の原因だった。

食品の37%(51食品中19食品)は、成分表示によれば存在するはずのない1~4種類のの原因アレルゲンが確認された。

食品1kgあたりのアレルゲンの蛋白質濃度は1~5000mgであり、ピーナッツ、牛乳、ゴマが最もがもっとも多かった

乳蛋白質が、アレルギー反応に対しる最も高い推定リスクがあった。

■ 患者による原因アレルゲンの摂取は様々だった。

■ 原因アレルゲンが検出された例では、少なくとも1種類のアレルゲン摂取量が基準量を超えていたか、または基準量が不明である原因アレルゲンが存在していた。

患者が予防的なアレルゲン表示を軽視していること、食品製造業者が予防的なアレルゲン表示を使用していないことが、偶発的な反応の一因となっているようだった。

 

結論

■ 食物アレルギーの患者において、さまざまな食品が偶発的な反応を引き起こしている。

■ 成分リストに記載されていない8種類のアレルゲンが原因食品に検出されたが、それらは全てEUで管理されているアレルゲンだった。

 

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誤食は起こりえることを想定する必要がある。

■ 誤食を防ぐ努力や表示義務の制度は必要です。

■ あたらしい食品表示法も、その制度のうちのひとつです。

■ しかし人間のすることに100%はないでしょう。だからこそ、『誤食をした場合の事前の対策』も必要だろうと考えます。

 

今日のまとめ!

 ✅ 予測しない食物アレルギー症状合った場合の食品の37%(51食品中19食品)に、成分表示によれば存在するはずのない1~4種類のの原因アレルゲンが確認され、乳のリスクが最も高かった。

 

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