以下、論文紹介と解説です。

Lah EF, et al. Effect of germicidal UV-C light(254 nm) on eggs and adult of house dustmites, Dermatophagoides pteronyssinus and Dermatophagoides farinae (Astigmata: Pyroglyhidae). Asian Pac J Trop Biomed 2012; 2:679-83.

UV-Cを、さまざまな照射時間(5分、10分、15分、20分、30分、60分)・距離(10 cm、25 cm、35 cm、45 cm、55 cm)で照射し、成ダニにおける照射直後および24時間後の死亡率を調査した。

 

目的

■ハウスダスト中のダニであるヤケヒョウヒダニ(D. pteronyssinus)やコナヒョウヒダニ(D. farinae)の卵や成体に対するUV-Cランプの照射直後および24時間の殺菌効果を調査する。

 

方法

■ 本研究では、さまざまな照射時間(5分、10分、15分、20分、30分、60分)および距離(10 cm、25 cm、35 cm、45 cm、55 cm)でUV-Cを照射し、成ダニにおける照射直後および24時間後の死亡率を調査した。

■ 2種類のチリダニの新鮮な卵に対しても、様々な照射距離(10、35、55 cm)や時間(0.5、1、2、3、5分間)で照射され、最大7日間、毎日照射をした後に観察した。

 

結果

■ 両方のダニに対する最も高い即時死亡率(100%)は、10 cmの距離で60分間UV-Cランプを直接照射すると発生した

■ UV-Cランプから55 cmの距離で1時間照射した場合の24時間後の平均死亡率は、D.pteronyssinusで(58.4±17.4)%、D.farinaeで(27.7±9.7)%だった。

■ チリダニを培養培地の存在下でUV照射された場合は、直接UVを照射するより死亡率は低くなった。

■ すなわち、10 cmの距離+60分の照射で、平均死亡率はD. pteronyssinus(74.0±6.8)%、D.farinaeで(70.3±6.7)%だった。

■ 両方のダニの卵孵化率も、照射後は50%以上低下した。

 

結論

■ UV-C照射は、核酸(DNAおよびRNA)に損傷を与えることにより、多くの生物にとって致命的である。

■ この研究は、曝露時間が長くなるほど、距離が短くなるほど、チリダニの死亡率が増加することを示している。

 

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UV照射は、短時間では殺ダニ効果は望みにくいかもしれない。

■ 論文本文では、5分+10cmではほとんど殺ダニ効果はなく、『距離よりも時間』との記載があります。

■ ですので、ふとんクリーナーの紫外線程度では、時間があまりに短いために効果は乏しいのではと考えています。

■ 私は、ふとんクリーナー自体を否定はしません。というのは、『ダニの死骸』を吸引することが重要だろうと考えているからです。日常的に使用しやすいのであれば、ふとんクリーナーも有用でしょう。

■ あくまで、現実的なUV照射でダニを死滅させるのはかなり困難ではないかということですね。

 

今日のまとめ!

 ✅ UV照射による殺ダニ効果は、短時間では望みにくいかもしれない。

 

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