以下、論文紹介と解説です。

Miller J, Miller A. Ten minutes in a clothes dryer kills all mites in blankets. Journal of Allergy and Clinical Immunology 1996; 97:423.

家庭用衣類乾燥機にダニを植え付けたブランケットを置き、10、20、30分間置いたあとのダニの生存数を確認した。

背景/目的

■ 130℃(管理人注;原文には注釈がないが、華氏130℃=摂氏およそ54℃と思われる)でブランケットを温水洗浄すると、ブランケットの全てのチリダニが死滅することが示されているが、冷水洗浄ではダニの10%が生存できる。

■ 高い水温は利用できるとは限らず、また、子どもにとって危険でもある。また、全ての柔らかいアイテムを洗うのに適していないため、ブランケットのダニに対する熱による乾燥の影響を検討した。

 

方法

■ ツインサイズのブランケット(ブランド名; Vellux/Snuggable)の中心に40×40cm2に広げたD.pteronyssinus(ヤケヒョウヒダニ)の高密度培養物を植え付けた。

■ 熱を加える前のブランケットから6箇所の5x5cmの切片を切り取り、再びブランケットを「中」の設定で家庭用衣類乾燥機(Whirlpool model LE7680XS)に10、20、30分間置いたあとにスイッチを切った。

 

結果

■ プローブは、乾燥中に105℃(管理人注; 摂氏およそ40℃)のピーク温度を示した。

■ 全てのブランケットの切片をheat escape法で調べ、生存したダニの数を数えた。

■ 3回の実験において、乾燥前には、切り取った切片の各々でダニ750匹以上/10cm2が存在したが、ブランケットを10分以上加熱した後に採取した切片には生存したダニは存在しなかった

■ これは4回目の実験である、乾燥前に98%の相対湿度で一時間吊るしたブランケットをも同様だった。

■ 乾燥した熱を衣類乾燥機で10分間使用したところ、毛布のすべてのダニは死滅した。

 

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一般的な家庭用衣類乾燥機で、殺ダニは可能なようだ。

■ 温度を上げて乾燥させる家庭用衣類乾燥機により、ダニを除去できるということですね。

■ おもったより温度は上がっていませんが、おそらく満遍なく温度がかかることや物理的なタンブラー式であることも影響しているのではと、私は考えています。

■ それにしても、重要な研究な気がしますが、論文にはなっていないんだろうか…もし海外報告で文献があればご教示ください。

 

今日のまとめ!

 ✅ 衣類乾燥機は、殺ダニに有効と言えそうだ。

 

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