以下、論文紹介と解説です。

Oyetakin‐White P, et al. Does poor sleep quality affect skin ageing? Clinical and experimental dermatology 2015; 40:17-22.

白人女性60人を睡眠の質の悪い参加者 ・睡眠の質の良い参加者に分類し、皮膚の回復能などを評価した。

背景

■ 睡眠は複数の生理的なシステムの成長と再生に重要である。

■ ヒトの皮膚機能と加齢の外観的特徴に対する慢性的な睡眠の質の影響は明らかではない。

 

目的

■ 皮膚の健康と老化の測定値に与える慢性的な睡眠の質の影響を評価する。

■ 外観に対する自己評価満足度も評価した。

 

方法

■ 健康白人女性60人は、睡眠の質の悪い参加者質(ピッツバーグ睡眠質問票 [Pittsburg Sleep Quality Index ;PSQI]>5、睡眠時間≦5時間)または睡眠の質の良い参加者(PSQI≦5、睡眠時間7~9時間)に分類された。

■ 妥当性のある臨床ツールであるSCINEXATMを用いて内因性および外因性の皮膚加齢程度を評価した。

■ 目の下のクマは、標準化した写真を用いて評価した。

■ テープストリッピング後の皮膚バリアの回復を評価するために、経皮水分蒸散量(transepidermal water loss; TEWL)の測定が用いられた。

■ 参加者を、模擬的な太陽光紫外線に曝露し、紅斑からの回復を観察した。

■ 参加者はまた、魅力における自己認識を評価するアンケートを記入した。

 

結果

良質の睡眠をとっている参加者は、SCINEXATMの評価による皮膚の加齢スコアが有意に低かった

■ 試験開始時に、睡眠の質の低い参加者はTEWLが有意に高かった

テープストリッピングの72時間後、睡眠の質の良い参加者は、睡眠の質の低い参加者と比較して、皮膚バリアの回復が30%良かった

紫外線に曝露された24時間後、睡眠の質の良い参加者は紅斑からの回復が有意に改善された。

■ 良質の睡眠をとっている参加者はまた、睡眠の質の低い参加者と比較して、外見と魅力に対する認識が有意に高かったと報告した。

 

結論

■ この研究は、慢性的な睡眠の質の低下が内因性の加齢徴候が進み、皮膚バリア機能が低下し、外観に対する満足度の低下に関連していることを示している。

 

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睡眠の質の低下(≒睡眠不足)は、皮膚の回復を遅らせ、見た目の加齢にも影響する。

■ アトピー性皮膚炎に対する研究ではありませんが、睡眠不足がアトピー性皮膚炎の改善や悪化にも影響する可能性があるという研究と読んでも良いかと思っています

■ もちろん、睡眠不足が美容にも影響するのは確かでしょう(当たり前なんでしょうけど…)。

■ 最近、睡眠不足気味ですので、ちょっと気をつけよう… 🙁

 

今日のまとめ!

 ✅ 睡眠の質(≒睡眠不足)は、皮膚の回復を遅らせ、見た目の加齢にも影響する。

 

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